サポーターと一人向き合ったFC琉球・喜名監督の「危機感」 “沼”入りを止められるか
- 2023/6/25
- エンタメ・スポーツ
前のめりになりコンパクトさ欠く
もどかしい状況が続く中、後半16分、相手選手に簡単にドリブルでペナルティエリア内への進入を許すと、ラストパスに対してまたも各選手がボールウォッチャーになってしまい、中央からゴールに流し込まれる。さらに27分には前のめりになったところでカウンターをくらい、ダメ押しの3点目を奪われた。
喜名監督が「前の選手は前からボールを奪いに行きたいけど、中盤の選手はちょっとディレイ(相手の攻撃を遅らせること)したい。その辺のコミュニケーションが取れなかったのも少しありました」と評した通り、自身が指揮を執り始めてからテーマとしている陣形のコンパクトさに欠き、守りに切り替わった時に空いたスペースを突かれてピンチに陥る場面が目立った。
フル出場したDF牟田雄祐は「結果にこだわらないといけない中で、自分のミスもあり、難しいゲームにしてしまった。相手のフォワードをゼロに抑えることが僕の役割だと思うので、前の試合も含め、非常に責任を感じています」と肩を落とした。その上で「コンパクトにすれば攻守において(選手同士の)距離感が近いので、守備もしやすいし、ボールを奪った後に攻撃にも出やすい。そこが自分たちの今のキーポイントだと思うので、まだまだ上積みしないといけないと思います」と改善を誓った。
指揮官「絶対変わるから…」
試合直後には、応援団席への挨拶を終えた琉球の選手たちがその場を離れると、入れ替わるように喜名監督がスタンドへ足を向けた。サポーターと一人で向き合い、右手を胸に当てながら、神妙な表情で口を開いた。
「チームは変わろうとしてる。絶対変わるから、最後まで選手を後押ししてほしい」
厳しい状況下で一体感を求めた指揮官に対して「分かるよ!」「頑張ろう!」とポジティブな言葉で応じたサポーターたち。喜名監督に、その行動の真意を聞いた。
「僕も選手も含め、クラブ全体が危機感を持って取り組まないといけないし、全員が変わっていかないといけない。選手は一生懸命トレーニングをやってますし、この敗戦を糧に次に進む準備もできています。だからチームを代表し、自分がサポーターに選手を後押ししてほしいと伝えさせてもらいました」
有言実行で変化を遂げ、再び成績が上向いていくのか。それとも、また“沼”に戻ってしまうのか…。