4人のみで走り出したキングスU18 基盤作った“1期生”の宜保隼弥、集大成の年への思い

 

「プロに近い環境」松脇から直接助言も

キングスU18を率いる与那嶺翼HC。選手時代はキングストップチームで主将を務めた

 自身が高校に進学するタイミングでキングスU18も発足。所属選手が少なく、まだリーグとしても大会の整備に着手し始めた時期だったが、高校の部活動ではなくユースチームに所属し続けることを選んだ。

 「自分の目標はプロ選手になることなので、プロに近い環境でバスケがしたかった。U18もキングス元キャプテンの与那嶺翼さんがヘッドコーチをしていて、学ぶことが多いと感じました」

 与那嶺HCは自身と同じガードの選手だったため、試合をいかにコントロールするかや、シュートのタイミングなど幅広く指導を受けている。ユースといえども“キングス”の看板を背負っていることに変わりはないため、学校生活などプレー以外の面でも自らを律する習慣が身に付き、日々成長を実感しているという。

 以前の練習場所は地域の体育館だったが、今はトップチームと同じ沖縄アリーナサブアリーナを拠点としており、正に「プロに近い」環境が整っている。昨年の夏休み期間にはトップチームの練習に参加する機会も得られ、同じシューターの松脇圭志から「もうちょっとクイックシュートのモーションを速くできたら、相手に高さがあってもブロックされないよ」と直接助言をもらうなど、得難い経験をしている。

2年時には全国3位 同期の須藤から「刺激」も

主将としてキングスU18を引っ張る須藤春輝(右)

 他の選手も含めて優れた環境を力に変え、1、2年生で臨んだ昨年度は全国のU18チームがトーナメント形式で頂点を競うチャンピオンシップで3位。シーズンの上位チームが戦う、その後のインターナショナルカップ代替大会でも3位と結果を残した。

 1年の頃はメンバーの人数が限られ、公式戦で試合をする機会も少なかったことから、「やっぱり試合ができると自分の成長にもつながるし、日々の練習に対するモチベーションも上がります。試合ができることにありがたみを感じます」と充実した日々を送った。

 チーム内には、自身が「刺激」を受けている選手もいる。同じくキングスU18の1期生である須藤春輝主将(那覇高校3年)だ。 

 須藤はPGとしてゲームコントロールやリーダーシップに優れ、昨年のチャンピオンシップで大会ベスト5に選ばれた。昨シーズン、Bリーグが新たに創設した「ユース育成特別枠」でキングスのトップチームに帯同して公式戦のコートに立ったほか、今年1月のBリーグオールスターでは、国内のトップ選手たちと共に関連イベントのスキルズチャレンジに選出された。

 際立った存在感を放つ同期を横目に、「正直言ったら、やっぱり悔しい気持ちもあります」と本音をのぞかせる。一方で「春輝がこういう経験をしていることに対して、『負けない』という思いもあるので、ライバルのような仲です」とも語り、須藤の存在が発奮材料になっているようだ。

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