3季ぶりに日本復帰!女子バスケの安間 独と伊で学んだコト、帰省インタビュー

 

トルコのチームに感じた「勝ちに対するこだわり」

レイアップにいく安間(本人提供)

 欧州ならではの国際大会も貴重な経験となった。特に印象に残っているのが、多くの国のクラブが参加するユーロカップのプレーオフ準決勝で当たったガラタサライ(トルコ)だという。

 「絶対に負けない、絶対に勝つという雰囲気がとても伝わってきて、プレーも激しかった。もちろん自分たちも勝ちたいけど、勝ちに対するこだわりがすごかったです。そういう気持ちを持ってプレーすることが大事だと改めて思わされました」

 ベネツィアなどイタリアも含め、サッカーのように熱気を帯びた応援をするファンも多く、日本とは異なる雰囲気も体感できた。「会場の盛り上がりやファンの声は、大事な場面とかうまくいかない時間帯とかにとても力になります。単純にやっていて楽しいですし、いい雰囲気でした」と笑顔で振り返る。

2シーズンの海外挑戦で感じた“意見”の大切さ

客席のファンと手を合わせる安間(本人提供)

 日本の女子バスケ界ではまだまだ海外でプレーする選手が少ない中、2シーズンに渡って欧州のチームで結果を残した。東京五輪で銀メダルを獲得した日本は世界ランキング9位で、Wリーグのレベルも高いが、単身乗り込んだ海外での経験は一人の人間として得難いものになったようだ。

 「この期間で自分の弱さを見られたり、プレー面で自分に足りない部分を知れたりしたことも大きいですし、日本にいたら絶対に知り合えない人に多く会えました。ドイツ、イタリアを通してチームメートやクラブのスタッフに本当に恵まれました」

 特にベネツィアは創立150年という伝統を持ち、地元に深く根付いたチームだったため、街中のカフェなどでも「試合見たよ」「みんな志織がめっちゃ好きだよ」などと声を掛けられることが多かったという。

 また、現地の人たちと付き合う中で感じることがもう一つあった。「一人一人がちゃんと自分の意見を持っていて、それをちゃんと言うことができる。自分もこうなりたいと思いました」。それを念頭に、「バスケットボールプレーヤーとしても、一人の人間としても、もっともっと成長していきたいです」と尽きることない向上心を口にした安間。3シーズンぶりに復帰するWリーグのコートで、どのような姿を見せてくれるのか。身長161cmの“小さな巨人”から、今後も目が離せない。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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