3季ぶりに日本復帰!女子バスケの安間 独と伊で学んだコト、帰省インタビュー

 
インタビューで昨シーズンを振り返る安間志織=5月18日、那覇市内

 欧州を舞台に活躍していた女子バスケットボールの安間志織(28歳、北谷町出身、北谷中学ー中村学園女子高校ー拓殖大学卒)が、3シーズンぶりに日本でプレーすることが決まった。Wリーグのトヨタ自動車アンテロープスが2日、公式SNSで再入団を発表。過去に5シーズン所属し、2020-21シーズンには球団の初優勝に貢献した古巣への復帰が決まり、安間は「またファンの皆さんの前でプレーできる事を楽しみにしています。今シーズンよろしくお願いします」とコメントした。

 21-22シーズンはドイツ「ブンデスリーガ」のアイスフォーゲルUSCフライブルクに所属し、ここでもチームを初優勝に導いてファイナルMVPに輝いた安間。直近の22-23シーズンはイタリア「セリアA」の強豪ウマナ・レイェ・ベネツィアに移籍し、主力ガードの一人としてシーズンを通して活躍した。

 トヨタ復帰が発表される前の5月中旬、オフの期間を利用して一時沖縄に帰省していた安間にインタビューを行い、昨シーズンの振り返りや海外挑戦で得られた経験などを聞いた。

主力ガードに定着 平均3.7アシスト

チームメートに指示を出す安間(本人提供)

 シーズンの時期がずれていることから、世界最高峰リーグの米WNBAでプレーする選手も多く所属するセリエA。安間が所属したベネツェアにもWNBA選手が2人いた。前シーズンにプレーしたドイツは世界ランキング36位なのに対し、イタリアは14位と格段にレベルは高い。

 安間も「WNBAの選手も当たり前にいる中で、ビッグマンのサイズは大きいですし、フォワード陣のスキルは『すごいな』と思いましたね。ハンドリングのリズムの違いやシュート力の高さもあり、体も強い選手が多かったです」と振り返る。

 安間は昨秋にオーストラリアで開かれた女子ワールドカップに日本代表として出場した後、10月からチームに合流した。リーグは9月に開幕しており、シーズン途中からの加入だったが、ゲームをコントロールする主力ガードの一人としてローテーション入り。22勝4敗で3位だったレギュラーシーズン、セミファイナルまで駒を進めたプレーオフを通し、27試合に出場して平均6.3点、3.7アシストのスタッツを残した。

 その他、チームはシーズンの上位8チームで争うイタリアカップで準優勝、さらに欧州ではユーロリーグに次いでレベルの高い国際大会「ユーロカップ」でもベスト4入りを果たした。

ディフェンスに手応え「すごい武器になった」

チームメートと喜び合う安間(本人提供)

 硬いディフェンスから走る、というテーマを掲げるチームにあって、コーチからは「どんどんボールをプッシュして、みんなを走らせてほしい」と伝えられていたという。1試合での最多得点は17点、最多アシスト数は10本と際立った数字を残した試合もあったが、シーズンの手応えを聞くと、辛口な言葉が返ってきた。

 「自分自身に満足することはシーズンを通してなかったです。『あれをやらなきゃ』とか考え過ぎてた部分があったので、自分のプレーができなかった。もっともっと成長しないといけないな、と思うシーズンでした」

 チームの共通語となっている英語の聞き取りはドイツ時代に比べて向上はしたが、「ポイントガードとしてたくさん喋ることは絶対に必要ですけど、自分の言いたいことを伝えるにはまだまだです」と語学力の部分でもさらなる上達の必要性を痛感した。一方で、もともと武器の一つだった激しいディフェンスには大きな手応えを得られた。

 「チームから『1人だけ前で当たれ』とか『ボールを簡単に持たせるな』という指示もあり、ディフェンスはすごい信頼してもらっていました。スティールが目的というよりも、プレッシャーをかけて相手ガードに時間を使わせたり、迷わせたりして、すごい手応えがありました。トヨタ時代からやってきたことが本当に生かされました」

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