「黒い煙が上がった」 陸自ヘリ行方不明 写真と飛行動画を入手
- 2023/4/8
- 社会
陸上自衛隊のヘリコプターが伊良部島近海で行方不明になった事案の発生から一夜明けた7日、宮古島市では地域住民から「こんな大事が島の近くで起こるなんて」「乗っている人たちが無事でいてほしい。早く見つかってほしい」などと、驚く声や乗員の安否を心配する声などが広がった。
同ヘリは、陸上自衛隊第8師団第8飛行隊(熊本県の高遊原分屯地)に所属。6日午後3時46分ごろ宮古島分屯基地を離陸し、同午後5時5分に同地へ着陸予定で航空偵察のため飛行中のところ、午後3時56分ごろに宮古島周辺の洋上でレーダー航跡が消失した。第8師団長ら10人が搭乗していたという。
矢寺賢次さん(46)はサーフィンをしようと波の状況を見に行った伊良部島の白鳥岬で、海から煙が上がっているのを確認。「急に水しぶきが上がったので大きなクジラかと思い、写真を撮ろうとしたら黒い煙が上がった」と振り返った。
米国出身で元海軍というスティーヴ・クリスティーさん(60代)=千葉県=は観光で6日に初来島。池間島に移動しカフェでくつろいでいた同日午後3時53分ごろ、北に向けて飛ぶヘリを見つけ撮影した。
「音でブラックホーク(UH60)だと分かった。飛行機が好きなので撮った。問題なく飛んでいるように見えたし、音も普通だった。今朝の新聞を見て驚いた。同じヘリだと思った」と説明。「乗っていた人たちが無事に見つかってほしい」と語った。
7日も、海上保安庁や自衛隊による懸命な捜索が続いた。午後2時半ごろ、捜索から戻った海保の巡視船「のばる」が燃料補給などのため、平良港に帰港。船内には、不明機のドアとみられるものや残骸などが乗せられていた。
宮古島海上保安部警備救難課の山添岳大課長は、捜索の状況について「風や潮流といった気象、海象を勘案し、捜索海域を設定し、巡視船4隻で分担して捜索している。現場には海上自衛隊の艦艇も到着し連携して当たっている。今のところ手がかりはないが全力で捜索している」と強調した。
また、捜索時については「自衛隊などと緊密に連携し、夜間や日没、視界が悪い中では目視だけでの捜索だと見落とす可能性があるため、レーダーやサーチライト、赤外線カメラなどあらゆる手段を使っている」と説明した。
(記事・写真 宮古毎日新聞)