アンダカシーで沖縄の豚文化継承 感謝の歴史紡ぐ 豚は「私の全て」

 

「豚に感謝する」イベントを毎年うるま市で開催

 2019年の旧正月には、豚を丸々1頭潰した「豚正月(ウァー・ショーグァチ)」の体験イベントを麻梨江さんが実行委員長として企画したり、「豚」について考える場を作ったりと双子で積極的に動いている。イベントには、ハワイから送られた豚1頭を譲り受け繁殖させた養豚業者の池宮城宏さんや「海から豚がやってきた」をミュージカルとして制作し、豚の歴史を現代に伝えた発起人である浜端良光さんらも一緒に関わっている。

うるま市で行なった豚正月体験会のイベント
豚正月体験会に使う豚の解体を体験

 また、2018年にハワイ州のイゲ知事が、ハワイから豚が沖縄に到着した9月27日を記念日として制定し、豚が届いたうるま市には記念碑を建立、毎年イベントを開催している。

 麻依子さんは「大事な命、歴史を預かっている」といい、「75年前の先人らが私たちに勇気を残してくれたように、アンダカシーや豚を通して100年後の未来の子ども達に思いを残していく」と話し、今年の9月27日も池宮城さんらと一緒に豚を考える企画を考えている。

 さらに、後世に伝えていくためにインターネット上で豚の歴史やグルメ、美容などのあらゆる情報を受け取れるプラットフォームも構築中のようだ。

ハワイ豚に関わる麻依子さん

 最後に、麻依子さんにとって豚は「肉体と魂の蘇りを果たす重要な存在」、麻梨江さんにとっては「私の全て」と熱い想いを語り、今後の商品化についても「鳴き声以外は全て商品化する」といい、「命を大切にというメッセージを込めて成長していきます」と話した。

 食糧難のときは沖縄の人たちを救い、晴れの日、祝いの席にも、ともにあった豚。

 「豚は感謝して食べないといけない」

 アンダカシー販売やイベントを通して、先人らがつないだ命、想い、感謝の気持ちを今日も伝えていく。沖縄県産豚をいっぱい食べて元気に後世へと、沖縄豚肉文化を残していこう。

<沖縄伝統菓子「アンダカシー専門店龍華」>
住所:沖縄県うるま市字川崎239-1
TEL/FAX:098-989-4583
https://www.anndakashi.com/

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