【那覇市長選】城間市長が”ゲームチェンジャー”となるか 翁長氏、知念氏による「身内対決」
- 2022/10/19
- 政治
翁長陣営「裏切り」と強く反発
他方、翁長陣営は当然のように反発を強めている。
城間氏が知念氏の事務所を訪れた日の翌13日には、市政を8年間支えた与党市議団が城間氏を訪ね、知念氏支持の撤回を要求。市議からは「翁長雄志前知事は命を懸けて辺野古の新基地建設に反対した。新基地を推進している自公が担ぎ出した知念氏を支持することはそれを裏切る行為です」「翁長さんは天国で怒っていると思います」などと断じた。
14日にあった総決起大会には雄志氏の妻・樹子氏が登壇。呆れ顔で「幹子さんには正直びっくりしました。自身は真ん中で、オール沖縄が左に寄り過ぎてるから右で活動すると。右に行ってこちらに人を引っ張ってくれるならこんな事にはならなかったのに。幹子さんの選択だから構わないけど、『雄志さんも喜んでくださるはず』というセリフは許せなかった。本気でそんな事考えてるの、幹子さん」と疑問を呈し、怒りをにじませた。
9月の知事選と県議補選では、那覇市でオール沖縄候補が他候補に大差を付けたが、陣営は「危機的な重大局面」と危機感をあらわにし、選挙運動の火付けに躍起となっている。
予想が難しい”城間票”
波乱の展開で接戦が予想されるが、城間氏自身が持っている票がどの程度あるのかについては、予想が難しい側面もある。
過去2回の選挙では、2014年は歴代最多の101,052票を獲得して元副知事の与世田兼稔氏(57,768票)に圧勝し、女性初の那覇市長として初当選。18年も歴代で3番目に多い79,677票を集め、元自民県議の翁長政俊氏(42,446票)に大差を付けて再選を果たした。
14年の選挙は、4期目途中までの14年間に渡って市長を務めた雄志氏の後継として出馬し、同日選だった知事選に立候補した雄志氏とのセット戦術で多くの票を集めた。18年の選挙は自身の1期4年の市政運営に対する評価という位置付けもできるが、前月に雄志氏が亡くなったことに伴う知事選で”弔い合戦”の様相を呈し、玉城デニー氏が初当選を果たしてオール沖縄に勢いがあった。
教職員や那覇市教育長を務めるなど40年以上にわたって教育畑を歩み、市長になってから政治の世界に足を踏み入れた城間氏。一政治家としての支持基盤をどれだけ固められているのかによって、結果に及ぼす影響は変わってくるだろう。