スナックの看板がTシャツに!辺土名大通りのディープさを体現

 

辺土名ディープ酒場Tシャツ製作者の知花薫さん(左)と発起人の宮城力さん=17日、国頭村の辺土名大通り

 沖縄本島最北端の商店街である辺土名大通り(国頭村)の店主らが、今年9月に同商店街にあるスナックの看板をデザインした「辺土名ディープ酒場Tシャツ」シリーズを製作した。発起人は酒販業を営み、国頭村商工会の副会長を務める宮城力さん。「お店のファンにさらなる愛着を持って欲しい」という思いで、馴染みのママさんに声を掛けた。

生粋の国頭っ子の恩返し

 「辺土名ディープ酒場Tシャツ」には6店舗が参加している。それぞれの店舗にて1枚3000円で販売しており、売上から原価を引いた利益は全て店舗に入る。

「若い人は自分たちでグッズを作ることができるけど、ママさん達はその方法が分からない方も多いのでその手伝いをしようと思いました」と話す宮城さんは生粋の国頭っ子。自身も商店街で長年バーを営んだ経験があり、現在は家業である丸重商店という酒店の後を継いでいる。

「今回参加しているスナックはお酒を卸す取引先でもありますし、個人的にも客として足を運ぶ馴染みの面々。売上の貢献にも繋がればと思いました」

 “ディープ”と銘打っているのにもポイントがある。長らく辺土名大通りに看板を出す、味のあるスナックに限定した。

 辺土名大通り街で27年間スナック「YEN」を営む三露香代子さんは「地元の若いお客さんは面白がってくれて、常連さんは『応援するよ』と言って買ってくれているのが嬉しいです」とカウンターで微笑む。

自分のお店のTシャツを手にするスナックYENのママ、三露香代子さん=17日、国頭村の辺土名大通り

即日閃き、即日納品

 製作方法は至ってシンプルだ。宮城さんが脚立に登ってスナックの看板の写真を撮り、その写真を加工した画像をTシャツにプリント転写していく。

「最初は趣味で勝手に作ったんですよね。同じ通りの『GEAR UP』というバーがアパレル製作もやっているので、まずはそこにお願いして作ってもらいました」

 依頼を受けた『GEAR UP』の知花薫さんは「連絡があった当日に作ってみたら、思いのほか仕上がりが良くて。これは販売までいけるんじゃないか」とその日の盛り上がりぶりを振り返る。

 ここからの商品化までは、瞬きのような早さだった。

「現物の商品ラインナップは揃っていて、あとはスナックに許諾をもらうというだけだったので、早いお店だとほぼ一日で契約完了しました」

 この圧倒的なスピード感は、顔の見える村の関係ならでは。ネオン輝く北端の社交街が、地元への愛情が結集したTシャツでさらに楽しくなった。

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ナガハマ ヒロキ

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ナガハマヒロキ
ラジオパーソナリティ・ライター。
担当番組は、ナガハマヒロキの週刊リッスン(RBCiラジオ)、しんちゃんヒロちゃんごきげんラジオ(ROK)、Connect(FM沖縄、金曜日担当)など。
喋り手・書き手として豊富な取材経験を持ち、対象を当事者の視点から捉えた切り口で幅広く執筆を行う。趣味は競馬と大相撲観戦。

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