OIST入居の企業が開発「超吸水性」素材が世界を変える理由

 
EFポリマーのナラヤン・ラル・ガルジャールCEO

 沖縄科学技術大学院大学(恩納村、OIST)のインキュベーション(起業支援)施設に入居するインドのスタートアップ企業「EF Polymer株式会社」(以下EFポリマー、ナラヤン・ラル・ガルジャールCEO)が開発したオーガニック由来の“超吸水性ポリマー”が注目を集めている。自重の100倍もの水を吸収することができる粉末を畑にまくことで土壌の保水力を大幅に向上させ、使用する水を約4割削減、農作物の収量増につなげている。今後は各分野への応用・活用を見込んでいるなど、沖縄で成長を続ける企業が科学技術の力で世界の水問題を解決に導く。

1kgの粉末で1000㎡の土壌に効果

 社名と同じ名を冠する製品「EFポリマー」。ポリマーとは、分子量を多く持つ高分子化合物で構成される「高分子素材」を指す言葉。ポリマーの例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、アクリル樹脂などで、一般的に聞き覚えのある素材も多い。

 粉末状のEFポリマーは前述のように自重の100倍もの水を吸収する超吸水性で、たった10gの粉が1リットルの水分を吸収するという素材だ。1kgの粉末で1000㎡の土壌の保水力を劇的にアップさせることができる。

水を加えるとわらび餅のような感触になる。人間が口にしても悪影響はない。

 国内ではすでにJAおきなわでの販売が開始されている。タイでは商社と一緒になって本格的な販売に向けて実証実験に取り組んでいる他、アメリカでの販売も実現に向けて話が進んでいるという。

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