FC琉球、J2残留に向け崖っぷちに 5試合連続無得点で痛いホーム敗戦

 
前半終了間際、ペナルティエリア内で右足でシュートを放つ草野侑己(左)=9月18日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 サッカーJ2のFC琉球が、いよいよ崖っぷちに追い込まれた。

 琉球は9月18日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで17位のレノファ山口FCと今季第37戦を行い、0-1(前半0-0、後半0-1)で敗れた。無得点は5試合連続。通算成績を6勝19敗12分となり、勝ち点は30。順位は最下位22位のまま。J2に残留する最低順位である20位のザスパクサツ群馬はこの日勝利したため、勝ち点差は6に広がった。今季の残り試合数は5試合。残留への道のりは、厳しさを一層増している。

 以下は下位4チームの成績。太字はJ3降格圏。19日現在。

19位 大宮アルディージャ  9勝16敗11分 勝ち点38

20位 ザスパクサツ群馬   9勝19敗9分  勝ち点36

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

21位 いわてグルージャ盛岡 9勝21敗6分  勝ち点33

22位 FC琉球         6勝19敗12分 勝ち点30       

終盤に攻勢も 最後まで押し込めず

後半29分 先制点を許して肩を落とす琉球の選手たち

 序盤からボール支配率では相手に劣ったが、長身FWサダム・スレイを狙ってクロスを上げ続け、ゴールを狙う琉球。しかし山口にスレイを徹底マークされ、なかなか決定機をつくれない。スコアレスのまま前半を折り返すと、後半29分にショートコーナーからのグラウンダーのクロスに合わされて先制を許した。

 状況を打開するため、後半中盤からMF清武功暉やDF沼田圭悟、FW上原慎也らを相次いで投入すると攻勢に転じる。「圭悟が左サイドから入れてくれるという共通理解がある中で、押し込めるんじゃないかと」(上原)と、前線の選手が積極的に相手ディフェンスの裏を狙い、何度もゴールに迫った。しかし、最後までネットを揺らせず試合終了の笛が響いた。

クロス多用で攻め単調に 

 6月にナチョ・フェルナンデス監督が就任して以降、攻守で改善し、一時成績が上向いた琉球。特に身長191センチという高さと体の強さを備えるスレイの加入は大きく、シンプルにクロスを上げて好機をつくるスタイルが定着した。しかし、ここにきて攻撃が単調になっている感は否めない。

 高いヘディングを武器に好機をつくる起点となるスレイが相手の徹底マークを受け、いい形で味方にボールを流せる場面が減っているが、それでもクロスを多用。相手ゴールに迫る場面はあるが、守備網を崩してのシュートではなく、混雑の中で押し込もうとするためシュートコースがほぼ空いていない状況が散見される。さらに第33戦の水戸ホーリーホック戦で、それまで前線でボールを落ち着かせていたFW阿部拓馬が左アキレス腱断裂の大怪我を負って離脱し、単調な攻めに変化を付けられる選手が減ってしまった。

ゴール前で競り合う上原牧人(中央)やサダム・スレイ(左)ら

 試合後の沼田の言葉が、今のチーム課題を端的に表している。

 「監督がノーリスクという事をよく言っていますが、それを意識し過ぎて攻撃の形が無くなったりしています。(阿部)拓馬さんがいた時は無理矢理ボールを収めて攻撃の形をつくっていましたが、今はもういないので、残るメンバーで形をつくっていかないといけない。相手が構えている所にどんどんクロスを上げても難しい部分はあるので、判断の精度を上げないといけないという課題は感じています」 

 クロスを主体にしながらも、状況によってはパスで相手ディフェンスを左右に揺さぶったり、グラウンダーで中央にボールを入れたりするなど、変化を付けながら攻撃を展開していきたいところだ。

「覚悟と責任を持って闘え」

 残り5試合では2位の横浜FCや6位の大分トリニータなど上位陣とのカードもあり、残留争いで一歩後退したと言わざるを得ないが、それでもまだ可能性はある。望みを繋ぐためにも、9月25日にアウェーで行う次戦の18位栃木SC戦は絶対に落とせない一戦となる。

 「セットプレーで失点していることが敗因。1対1の弱さも見せ付けられた」と課題を見詰めるフェルナンデス監督も「諦めることはしない。次の栃木戦に勝つことを考えています」と前を向く。

 土俵際に追い込まれた状況の中、選手たちの気持ちのこもったプレーが勝利に向けた最低条件となる。試合中、琉球の応援団席に掲げられた横断幕には、選手を鼓舞する力強い言葉が手書きでつづられていた。

 「琉球の選手として覚悟と責任を持って最後まで闘え」

 このメッセージを選手一人一人が胸に宿し、残り試合に挑みたい。

Print Friendly, PDF & Email

長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  沖縄県内各地域で受け継がれてきたその土地の言葉「しまくとぅば」。文化やアイデンティティの…
  2. サッカーの沖縄キャンプをPRする(左から)まーちゃん、尾形貴弘さん、髙原直泰さん=1月10日、豊見…
  3.  台湾の金門島をご存じでしょうか?「台湾の」と書きましたが、島の位置としては「え?なんでここが台湾…
  4.  沖縄の「長寿県」という称号はもはや過去のものとなった。厚生労働省が12月23日に発表した…
  5.  年末が差し迫ってきて「そろそろ大掃除の時期だな…」と感じ始めている人も多くなっている今日…

特集記事

  1.  八千代エンジニヤリング株式会社(東京都)はこのほど、琉球大学工学部の神谷大介准教授と共同…
  2. 今年の正月に首里城で開かれた「新春の宴」にて  2022年は観光業界だけでなく、経済界も含め…
  3.  沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は1月4日、首都圏・阪神圏在住の現在…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ