新エース・張本智和、圧巻の活躍!琉球アスティーダがホームで初勝利 卓球Tリーグ

 

第2マッチの松下 殊勲の逆転勝ち

第2マッチシングルス 強烈なフォアハンドを放つ松下大星

 もう1人の勝利の立役者は、第2マッチシングルスに登場した松下大星だ。

 この試合が自身初のTリーグでの公式戦となり、「緊張で体が硬くなってしまった」と第1ゲームはほとんどいい所が出せず、3-11で落とした。ベンチに戻ると、張一博監督からアドバイスが飛んだ。「打った後に足が止まって、次のボールに反応できてない。足を動かして連続で打て」。この助言が松下を救う。

 フットワークを使って徐々に流れを押し返すと、シーソーゲームとなった第2ゲームは終盤に抜け出して取り、ゲームカウント1-1のタイに戻した。さらに「自分の一番の武器」と評するサーブが効き始め、優位に立ち始める。

バックハンドでネットギリギリの球を返す松下

 「1種類だけじゃなくて、2、3種類くらい効くサーブがあったので、自分で選びながら試合を進めることができました。このサーブが効かなくなったらこのサーブがあるっていう、ちょっと余裕もありました」と振り返る松下。珍しい右のペンドライブで、逆回転のボールや足の長いサーブを打ち分け、その後は1ゲームも許すことなく3-1で勝ち切った。

 今季初のホーム戦で結果を残し、「2ゲーム目以降はリラックスして会場を見ながらプレーできました。(勝利に貢献できて)すごく嬉しいです」と頬を緩めた。

2季ぶりの優勝へ 監督「1戦1戦、頑張る」

松下(右手前)の得点を讃える張一博監督(左端)やベンチにいるメンバーたち

 Tリーグ参戦5シーズン目となるアスティーダ。初年度は最下位だったものの、3季目の2020-21シーズンで一気に優勝まで駆け上がった。昨季は9勝12敗で3位と伸び悩んだが、今季は日本のエースである張本や、沖縄初のTリーガーである上江洲光志(うるま市出身)らを補強して2季ぶりの頂点を目指している。

 この日の試合では、仲間がポイントを挙げる度にベンチが立ち上がってガッツポーズを決め、拍手を送っていたアスティーダメンバー。張監督が「(リーグ内でも)一番雰囲気がいいという自信を持っています。それが自分達の一番と取り柄であり、特徴です」と語る通り、王座奪還に向けてチームが一丸となっている様子がうかがえた。

 指揮官は「1球1球、1セット1セット、一戦一戦頑張る。それしかないと思います。みんなが頑張っていけば、結果はついてくると思います」と語り、頂点へ向けて1つずつ白星を積み重ねていく決意を示した。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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