沖縄への社員旅行、魅力や課題は?ショービジネスの受け皿にも

 
大和財託の社員旅行=7月、沖縄県内(同社提供)

 コロナ禍に突入してもう2年半が過ぎた。「もうすぐコロナ禍が終わるはずだ」と希望を抱き続けては、どうにもならない現状にこりごりしている人も多いだろう。その間にも観光立県を標榜する沖縄の観光業は、試行錯誤と変化を続けてきた。

 そんな中、沖縄での社員旅行を楽しむ県外企業もある。修学旅行と同様、多くの人々が訪れる団体旅行先としての沖縄は、どのような魅力や課題を感じてもらったのか。7月上旬に3泊4日で約80人規模の社員旅行を行った大和財託株式会社の藤原正明CEOらに話を聞いた。

社員旅行は「非常に重要です」と考える理由

(イメージ写真)

 資産運用のコンサルティングなどを手掛ける同社は、東京と大阪にそれぞれ本社を構えており、社員数は約100人。今回の社員旅行は7月6日から9日の日程で自由参加とした。

 民間の調査によると、社員旅行をする企業は90年代で約8割程度あったが、2014年には約5割に減少している。その後の働き方改革やリモートワークの普及なども加味すると、現状ではさらに減少していることも推測できる。その中で同社は、創業翌年の2014年から毎年、全社規模の社員旅行を行っているという。社員間コミュニケーションの活性化や、社員への慰労と還元が主な目的だ。昨年、一昨年は新型コロナの影響で実施できなかったため、3年ぶりとなった。

 藤原CEOは「お互いのことをよく分からない人同士が一緒に仕事をしても、会社としてあまり良い結果を生み出さないと思っています。その人自身や周囲のことも分かり合った間柄の人と仕事をした方が、意思疎通もよく図れると考えているので、社員旅行は非常に重要です」と話す。社員旅行中は業務が休みになるため、その期間を帰省などにあてる社員も多くいるといい、各自が柔軟に時間を過ごす機会にもなっている。

 社員の平均年齢は30代と若い。夏の沖縄はやはり、魅力的な旅行先となっていた。「賞与金だけでなく、沖縄旅行という形でも社員に還元しています。『仕事で成果を出して頑張ればお祭りが待っている』ことは、組織全体としての目標達成意識の醸成にもつながります」と藤原CEOは話す。

本島北部を中心に4日間

 社員旅行の内容はおおまかに以下だ。

【1日目】万座毛⇒琉球村⇒恩納村内のホテルでBBQ、宿泊
【2日目】大石林山でのトレッキング or マリンスポーツ⇒名護市内のホテルでエイサーショー、宿泊
【3日目】マリンスポーツ or 沖縄美ら海水族館・森のガラス館 or 古宇利島・森のガラス館⇒那覇市内のホテルに宿泊
【4日目】帰路

 沖縄本島北部が中心のコースで、バスを3台貸し切った。マリンスポーツの他にも、文化体験など参加者それぞれにあったコースを選択することができ、日によっては3グループに分かれて移動した。

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