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「アーユルヴェーダ」でスポーツ上達を 沖縄陸上界の開拓者、譜久里さん執筆に協力
- 2022/7/27
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5千年もの歴史を持つインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」をスポーツの上達に生かすための方法をまとめた書籍「アーユルヴェーダが変えた!トレーニングの常識」が、7日29日に発売される。アーユルヴェーダの知識を伝えるスクール「アーユルヴェーダビューティーカレッジ」を東京や沖縄で展開する新倉亜希学長が執筆し、世界マスターズ陸上の金メダリストで、沖縄陸上界の開拓者で知られる譜久里武さんが執筆に協力した。2人に出版までの経緯や書籍の主な内容を聞いた。
まずは「自分の体質を知る」
アーユルヴェーダは和訳すると「長寿の知恵」を意味し、日常生活において心身のバランスを保つ自然療法を重んじる。生まれ持った心身の体質を診断し、それに合ったライフスタイルや食事、仕事の仕方を追求することで長寿を全うする予防医学だ。
問診や視診、触診で体質を診断し、まず「自分を知る」というところからスタートする。それを基に日常を改善することで、美容や健康に生かされることが多い。スポーツに活用する例は少ないというが、なぜ今回の出版に至ったのか。新倉さんが説明する。
「アーユルヴェーダはまず、自分のメンタルの特徴や体にどういう症状が出やすいか、どこが弱いかなど、生まれ持った体質を見ていきます。スポーツ選手はストイックで、最短で効果を上げる必要がありますが、自分の体質に合ったアプローチをしないとうまく効果が出なかったり、怪我の原因になることもあります。そこでアーユルヴェーダの知恵が生かせると思います」
3タイプに合ったトレーニング法
アーユルヴェーダでは身体、性格などの特徴から、どんな人も「ヴァータ(風)」「ピッタ(火)」「カパ(土)」の3タイプに当てはまるとされる。それぞれのメンタル的な主な特徴は以下。
ヴァータ→軽快、想像力豊か、不安定、心配性、気分が変わりやすい
ピッタ→リーダー気質、知的で情熱的、イライラしやすい、見栄っ張り
カパ→献身的、忍耐力がある、辛抱強い、固執しやすい、保守的
これらを踏まえ、新倉さんは「ヴァータの人は飽きやすいので、バラエティーに富んだトレーニングメニューを取り入れるといい。リーダーシップのあるピッタの人はコーチから命令されるより、自分で考えてメニューを組んでみたり、カパの人は同じメニューを丁寧にやり続けることが得意だったりします。これらを事前に知ることで、自分に最適なトレーニングメソッドに辿り続くことができます」と解説する。
本の中では自分のタイプを知るためのセルフチェックリストのほか、タイプ別に適したトレーミングメニューの組み方や集中力の高め方、試合での戦い方などを記している。また、新倉さんは「スポーツだけにとどまらず、勉強や仕事にも生かせる内容だと思います」と幅広い層に勧める。
「パフォーマンスの維持に活用」譜久里さん
譜久里さんは過去に沖縄県民体育大会の100、200メートルを10連覇し、日本選手権への出場経験もある。40代で初めて100メートルを10秒台で走ったスプリンターとして知られ、マスターズ陸上では世界一やリレー種目での世界新記録の樹立も果たした。
51歳となった今も現役を続け、日々の健康を保つことが競技を継続する一番の秘訣になることを実感している。近年、体づくりなどにアーユルヴェーダの知識を活用しているという沖縄伝統空手剛柔流の空手家、池原英樹さんから紹介してもらい、自身も日々の生活に取り入れているという。
譜久里さんは「自分の特性を知るだけでも、日々の生活が変わってくる。マスターズ陸上をやっている僕が常に生き生きとパフォーマンスを維持する上で、必要な考え方だと思います。健康を維持し、運動を続けたい方には是非読んでもらいたいです」と話した。