VR空間の国際通りで買い物も メタバースが沖縄に果たす未来

 
あしびかんぱにープレスリリースより(以下同)

 「うぅわぁ!」。これが初めてメタバース世界に没入した筆者の感想第一声だ。VRゴーグルを装着したその瞬間、目の前にはCGとは分かるものの、姿かたちや距離感も完璧な国際通りの姿があった。これは株式会社あしびかんぱにー(那覇市)が2021年4月に開設した、メタバース上の仮想空間「バーチャルOKINAWA」の中に構築された国際通りだ。「那覇市国際通り商店街振興組合連合会」の協力で本物に限りなく近い世界が再現されており、実際に歩くようにして移動もできる。一部のお店には“入る”こともでき、実店舗の通販サイトと連動されるなど、新たな沖縄の観光やビジネスの可能性を実感することができる。メタバースが沖縄の未来に果たせる役割を考えてみる。

ビーチも首里城も

 バーチャルの国際通りは、現実にかなり近い景観ながら、空にはジンベイザメが泳いでいたり、大きなシーサーがお出迎えしてくれていたりと、メタバースの自由度を生かして沖縄の魅力を散りばめた空間づくりをしている。ディレクターやデザイナー、エンジニアなどからなる制作チームは10数人。全員が沖縄出身者で「地元を盛り上げたい」という気持ちを共有している。

戦後まもなくできた「アーニーパイル国際劇場」の再現ができるところもバーチャル空間ならでは。「国際通り」の名称はこの劇場が由来だ。

 「バーチャルOKINAWA」内には、国際通りだけでなく、ことし2月に「ビーチエリア」が、4月に守礼門から首里城正殿までの「首里城周辺エリア」がそれぞれ登場。現実世界では2026年に復元予定の首里城正殿も、バーチャルOKINAWA内ではすでに復元されており、まるで目の前にあるかのように漆の赤が飛び込んでくる。

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宮古毎日新聞

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