参院選公開討論会 経済振興や基地問題で論戦 JC主催

 

課題はコロナ禍からの経済回復

ーーー沖縄経済の今後の主な課題についての考えを聞かせてください。

質問に答える山本圭氏(日本青年会議所沖縄ブロック協議会のYouTubeより)

 山本氏「アンケートではコロナの影響で経済的な打撃が大きかったと出てます。観光に依存し過ぎたせいで、影響もさらに大きかったのかなと思います。政治家任せにするんじゃなくて、県民の皆さんの意見とか、内地の目線を頼ってもらえれば嬉しいなと思う。お金を減らさない方法として、NHKの受信料はなくすべきだと思います。NHKをぶっ壊してまいりましょう」

 金城氏「コロナが流行り、給付金に対する県民の依存心が生まれ、支援を受けた業者と、対象から漏れた業者の明暗がはっきり分かれてしまった。会社を発展させたいと思う原点を見失い、これが沖縄経済の課題となって表れてくるんじゃないかと思います。失業率や離職率も高い。低い給与であっても、使えるお金を増やすための減税にはやはり取り組むべきだと考えています」

 伊波氏「コロナ禍からの県経済の回復に向けては、特に観光関連産業の再生をして、1人当たりの県民所得を向上させることが一番の課題だと思います。次に子供の貧困の解消。沖縄の子供の貧困率は全国平均の2倍。本格的に取り組んでいかなければならない。さらに大きな課題が広大な米軍基地です。その上で、今でも辺野古新基地建設のようなことが行われ、先島では自衛隊のミサイル基地建設が行われている。沖縄を基地の島だと勘違いし続けているような状況をどっかで変えていかなきゃいけないと思います。私は宜野湾市の嘉数で育っているんですが、沖縄戦の最初の激戦地の一つなんです。沖縄戦で集落の半数以上がなくなりました。悲惨な沖縄戦の話を聞いて育ちましたし、高校生の頃から米軍の事件事故に対する抗議集会にも参加しました。米軍基地は復帰前から県民の民意と相容れません。平和を希求する県民の思いとして、平和な沖縄をつくることこそが経済の順調な成長に帰すると思っています」

 古謝氏「目の前の課題として新型コロナの影響に加え、資材、原材料が高騰しています。観光産業をはじめ、多くの業界が打撃を受けているので、国として公共投資、公共支援、保証を行っていくべきだと考えています。関連して、こうした社会情勢の変化に対応できるしなやかで強い沖縄経済をつくっていく必要がある。観光産業は社会情勢の変化を受けやすい。沖縄の文化や特性を生かした産業振興がこれから必要になってくると思います。次に、経済目線で見たときの基地の整理縮小と、その跡地活用です。嘉手納以南の統合計画をしっかりと進めることによって、基地負担軽減を図りながら、沖縄の未来に繋がる跡地活用を進める必要があります。おもろまちやライカムなどの事例を見ても、新たな街作り、産業作り、経済の活性化が可能となると考えております。最後に子供の貧困問題です。全国平均の約2倍とも言われている子供の貧困の解消をしっかり市町村と連携しながら進めていって、貧困の連鎖を止める必要があると考えています」

基幹産業である観光の復活策は 新産業の創出も

ーーー沖縄経済の今後の課題に対しての解決策について聞かせてください。

質問に答える金城竜郎氏(日本青年会議所沖縄ブロック協議会のYouTubeより)

 金城氏「経済を復活させるために最初に思い付くのが基幹産業である観光業です。国内客に海外には行けないけど、ぜひ沖縄に来ていただきたいと訴える。海外の富裕層を誘致する準備もやっていくことが必要だと思います。沖縄は外食産業がとても盛んなので、減税して景気を良くして、景気が良くなった分で税収入を増やしていくことが可能だと思っています」

 伊波氏「コロナ禍からの県経済の再生に必要なのは観光業の再生です。年間の観光産業の減収はおよそ3,400億円で、波及効果を考えれば5,000億円。この2年間で1兆円に及ぶ減収があったことになります。観光を再生するだけで沖縄振興予算以上のお金が沖縄に流れ込むことになります。外国客は航空機で来ていたので、2国間協議が必要になります。私は外交防衛委員会にいるので、近隣諸国と議論して、協議を促進させたい。さらにコロナの治療薬の開発、普及、在日米軍を含む検疫など水際対策の徹底を国として取り組んでいかないといけない。いろんな形で値上げの波が押し寄せてきている中で、時限的にでも消費税を5%に減税することも強く提起しています。子供の貧困問題では、イギリスでは就学年齢の子供を持つ親に個々のケースワーカーが付いて、親からの申請を待つことなく積極的に求職活動が促進される。それくらい取り組んでいくことが大事だと思います。基地の問題ではPFOSが北谷浄水場に入ってます。止めなきゃなりません」

 古謝氏「コロナ禍、資材原材料高騰対策については、ガソリンなどへの直接的な補助、業種に合わせた省エネ機材の導入、これを機に国内生産体制の再構築なども図っていくべきだと考えています。私は『新5K経済』を提唱しました。観光に加えて、健康産業、環境産業、海洋産業、そして起業の促進です。観光産業は量も質も充実させていく必要があると思っています。その他にも、豊かな食文化や最新のテクノロジーを活用した健康産業。島嶼県であることを生かした環境産業、海の資源を活用する海洋産業、スタートアップを促進する企業文化の促進を図っていきます。基地の整理縮小と跡地利用については国と県と市町村が連携しながら、大きな発展に繋がる活用を考えていかなければなりません。政治の力で縦割り行政を打破して、沖縄の未来の経済振興を図る跡地利用をつくっていかなければなりません。子供の貧困が連鎖しないように幼少期から成人に至るまでの保育教育支援、キャリア就労支援に取り組んでいきます」

 山本氏 「観光は伸ばしていかないといけないと思います。沖縄って、飛行機で4、5時間くらいの商圏内に何億人が入るらしいんですね。そこら辺をアピールをしていかないといけないかなと思います。ホテルの部屋には1つ1つテレビがあります。このテレビ1台1台のNHK受信料をストップして、スタッフに再分配をしてもらいたいです」

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