経済政策や交通インフラで独自政策

ーーー新型コロナウイルス禍収束後の経済政策について。

　森山氏「玉城県政と連携し、PCR検査の拡充やワクチン接種の推進にスピード感を持って取り組みます。市内5万4千戸の家屋のうち、約1割が空き家です。国の支援メニューを積極的に活用し、小さな開発を進めます。空き家のオフィス利用やワーケーションへの活用を推進し、支援するビジネスサポート課を新設します。企業と行政の連携を図ります。音楽、芸能、文化を活用した音楽の街づくりで、観光客を呼び込みます。広島カープのキャンプ地でキングス、FC琉球が沖縄市をホームタウンにしてます。コザ運動公園、県総合運動公園もあり、スポーツをビジネス化できる条件が整っています」

　桑江氏「1人当たりの市民所得は、私が市長に就任して約9%増加しています。法人税の納税義務者も、26%も増加しております。1万人アリーナを生かした街の活性化、沖縄こどもの国のナイトZOO、東部海浜開発地区の潮乃森の早期整備によって、企業が投資したくなる沖縄市をつくっていきます。スタートアップ企業の集積に取り組むことも重要です。商店街は沖縄アリーナのイベントと連携し、呼応しようと努力しています。既にアリーナ効果で市に3棟のホテルが建ち、来年5月にはグレードの高いホテルがオープン予定です。確実に滞在型観光の街になっており、そこを生かします」

ーーー子どもの貧困問題への対策は。

　桑江氏「各地域でこども食堂を実施するなど、地域の共助力を高めて子どもを支えていける環境を構築していきたいと考えています。デジタル化に特化した就労支援プログラムを実施し、取得したスキルによる就職や、フリーランスで働くことで家庭収入を上げる。沖縄産業開発青年会に入る若者への助成金創設や、介護職員初任者研修の講座受講費用の支援など、資格取得により市民自らが所得を上げる流れをつくることが重要だと考えています。創設した給付型奨学金を拡充し、子どもの学びを一層応援していきます」

　森山氏「市民所得は県内41市町村中、下から3番目です。給食の無償化、18歳未満の医療費の無償化は計画的に実現します。1人親家庭のケアと就労支援、若年層の就労支援、返済義務のない給付型奨学金、出産育児金拡充、不妊治療支援、男女賃金の格差是正、ヤングケアラー対策、インクルーシブ教育の推進など課題は山盛りです。少人数学級の推進や学習支援員、特別支援員の増員などを実現し、誰もが質の高い教育を受けられる環境をつくります。市民所得10％アップへと邁進し、貧困の連鎖を断ち切ります」

ーーー交通インフラの政策については。

　森山氏「コミュニティバスは高齢者、子ども、障がい者を無料にし、北部の通学困難地域でスクールバスを運行します。国道329号線と330号線の結節点であるコザ十字路にターミナルを整備し、沖縄市全体の交通利便性向上を図ります。胡屋十字路からコザ十字路までの拡幅工事と連動した小さな再開発で、中心市街地全体の活性化を推進します。LRT構想も検討します。沖縄県のサンライズベルト構想と連携し、東部地域の潮乃森などを結ぶ国道329号線の整備を進めます。渋滞の激しい高原交差点の改良工事を含め、県道20号線は早期に整備します」

　桑江氏「国道330号の拡幅事業と連携して胡屋地区交通結節点を整備する『パスタプロジェクト』を進めていきたいと考えています。効率的な路線バスの運行や公共交通の利用促進による住宅渋滞緩和が期待され、交通の要衝となれば中部圏域の地域公共交通ネットワークの構築も促進されます。これまでなかなか商店街の店舗のシャッターが開かなかったが、沖縄アリーナができたことで人の流れが容易になった。この構想は中心市街地の命にも関わることです。バスタ構想は町が求めた構想であると言っても過言ではないと位置付けています」