【復帰50年】沖縄交通事情が一夜にして変わった「730」とレトロバス

 
今では全く姿形も無いかつての与那原テック(沖縄県公文書館所蔵)

沖縄初の本格遊園地はバス会社が運営していた!

 730バスを保有しているバス会社の一つ「東陽バス」は本土復帰前、沖縄初の本格的な遊園地として誕生した「与那原テック」の運営・管理を担っていた

 与那原テックは1966年与那原の雨乞い森に「科学が生んだおとぎの国 総合自動車遊園地」をテーマとしてオープンした、いわばモータリゼーションテーマパークだ。園内にはミニチュア機関車、ゴーカート、ジェットコースター、観覧車、ケーブルカーなどがあった。

 当時の沖縄ホンダの社長・徳野睦夫氏が主体となってプロジェクトが進められたという。また、与那原テックの麓には県内屈指の与那原海水浴場が広がり、与那原は一気に子供や家族連れの憧れのエリアとなっていくのだ。

 しかし復帰後の1986年、施設の老朽化などの理由から与那原テックは惜しまれつつ閉園する。跡地には東洋バスが管理する東洋ゴルフクラブがオープンするも、その後売却され現在は「マリンタウンゴルフ」として営業をしている。

 人気を博した与那原の海水浴場も埋め立てられ、現在は与那原側がマリンタウン東浜、西原側がマリンタウン東崎となり近年人気の住宅エリアとなっている。

公園も多く人気住宅地となっているマリンタウン

 与那原は戦後大里村から分離し誕生した新しい町だが、マリンタウンには新興住宅の他に沖縄女子短期大学も移転してきており、今後大型MICE施設の建設も明らかとなっている。

 本土復帰から50年を迎え、その間に造られたもの無くなったもの様々あるが、この機会に親子揃って、あるいは三世代揃って昔話に花を添え新しい沖縄の発展に繋げていけるといいなと思う。

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