来年度で非ETC車の35.5%割引終了 沖縄自動車道、NEXCO西日本

 
沖縄自動車道(資料写真)

 西日本高速道路(NEXCO西日本、大阪市)が、沖縄自動車道で実施している全線の料金を35.5%割引する「沖縄自動車道特別割引制度」について、現金払いなどの非ETC車への適用を2024年3月末で終了することを発表した。同年4月以降のETC車の割引延長については現時点で未定で、実施するか否かはあらためて知らせるという。

県経済の活性化の一助に

 沖縄は南北に縦断する鉄軌道がなく、交通インフラが限られている。コロナ前には年々観光客が増えて県内各地で渋滞も悪化していたため、沖縄自動車道は県民生活や観光にとって重要度が高い。特別割引の適用は県経済の活性化の一助にもなっている。

 現在の割引後の那覇ー許田(名護市)間の料金は、軽・二輪が850円、普通車が1,040年、中型車が1,230円、大型車が1,640円、特大車が2,680円。

ETC普及による渋滞解消が狙い

 今回非ETC車への適用を終了することを決めた理由は、ETCの利用を促進するためだ。現状においてもETC車は特別割引制度に加えて深夜割引などが重複して適用されるメリットがあるが、沖縄自動車道における2021年度のETC利用率は約66%で、NEXCO西日本管内の平均値である約92%を大幅に下回っている。

 そのため、料金所の一般レーンが混雑して渋滞が度々発生。2019年におけるインターチェンジや料金所付近の100万台当たりの追突事故発生率は県内が1.29件で、西日本管内平均の約2.7倍に上る。ETC車が渋滞に巻き込まれてメリットを享受できない状況も多い。

 NEXCO西日本は「ETC利用促進の取り組みについては、引き続き検討してまいります。具体的な内容については、あらためてお知らせいたします」としている。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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