首里城正殿は26年秋完成予定 防火対策強化盛り込んだ設計概要公表

 
内閣府の説明資料より

 政府は29日、焼失した首里城の復元について協議する関係閣僚会議の第6回幹事会を首相官邸で開き、正殿の設計概要を公表した。復元の主なポイントに挙げたのは「防火対策の強化」と、構造材は国産ヒノキを原則とすることなどを示した「材料調達の状況の変化等の反映」の2点。正殿は今年秋に本体工事に着工し、2026年秋に完成を予定している。

監視カメラ、スプリンクラー設置も

 「首里城復元に向けた技術検討委委員会」での協議を踏まえて21年度中に正殿の実施設計を行い、構造形式は「木造重層3階建て」「入母屋造」「本瓦葺」とすることを決定。建築面積は636.56平方メートル、延べ面積は1199.24平方メートル(1階516.86平方メートル、2階516.86平方メートル、3階165.52メートル)とした。

 防火対策の強化を図るために火災感知器と連動し、自動旋回して火災を映す監視カメラ、誤作動防止機能付きのスプリンクラー、消火用の水を城郭内に送る連結送水管などを設置する。

 構造材は国産ヒノキのほか、一部にイヌマキ、オキナワウラジロガシを使い、台湾産ベニヒを彫刻材に使用する。赤瓦には沖縄本島産の材料を使用するほか、一部に正殿の破損瓦を粉砕(シャモット)して再利用し、彩色、彫刻は塗装材に久志弁柄や久米赤土、石彫刻に細粒砂岩などの県産材料を活用。県内の伝統技術の活用、人材育成も行なっていく。

寄付金約55億円 24億を正殿復元に

 県のホームページによると、「沖縄県首里城復興基金」に寄せられた寄付額は今年2月28日時点で54億9887万6266円。そのうち、約24億円が正殿の復元に充てられ、赤瓦や柱などの木材、大龍柱など幅広い用途に活用される。残りの寄付金は北殿や南殿などの復元に活用する方針だ。

 寄付金の活用については、県が20年7月に「沖縄県首里城復興基金の活用に関する方針」を決定し、国と協議、調整が整った事業に充当する方針となっている。

沖縄県公式首里城復興サイトより

新たな基金設置 技術者育成に活用

 復興基金の寄付受付は今月31日で終了するが、県は22年度から新たな寄付の受け皿として「首里城歴史文化継承基金」の設置を予定している。寄付金は宮大工や彫刻など装飾品に係る彫刻師、彩色を施す絵師などの技術者育成、中城御殿の整備や城壁の修復、歴史まちづくりの推進などに活用したい考えだ。

 県は首里城復興に向けた特設サイトで「2022年度は沖縄の復帰50周年、新たな沖縄振興計画のスタート、そして首里城正殿の復元工事着工と、様々な節目となる年です。新たな基金を設置することで、復元後を見据えた人材育成と空間創出により、首里城に象徴される歴史と文化の未来への継承に向けた取り組みを強化してまいります」と説明している。

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