【視点】予算成立を新しい政治をつくる契機に
- 2022/3/24
- 政治
一方、立憲民主党や日本共産党は、基本的な政策が異なるのに、選挙になると〝野合〟を繰り返している。
例えば、労働組合の連合は参院選に臨むため「目的や基本政策が大きく異なる政党と連携する候補者は推薦しない」との基本方針を打ち出している。その「目的や基本方針が大きく異なる政党」が共産党であることは、連合の芳野会長も事実上認めている。
立憲民主党は日米安全保障条約を認めて現実的な安保政策の展開を主張しているが、共産党は日米安保の廃止を目指している。日米安保をめぐっても180度違うのだ。
毎日新聞などが先ごろ実施した世論調査では、ロシアのウクライナ侵略を受けて「日本の安全保障が脅かされる不安を感じるか」と聞いたところ、「強い不安を感じる」が46%、「ある程度の不安は感じる」が41%で、計87%が不安を感じていることが浮き彫りになった。
実際、日本の領土である沖縄県石垣市の尖閣諸島では中国・海警局の公船による接続水域への入域、領海への侵入が相次いでいる。
毎日新聞の世論調査で明らかになった日本の安全保障に関する国民の懸念は今後、アジアの緊張が高まる中でますます強まるだろう。そこに責任をもたない政党は、国民の安全や安心をないがしろにするのと同じだ。
政党の基本は、現実を見据えた政策を展開することだ。政治家も同じだ。現在の課題は〝現在の視点〟で解決するしかない。〝遠い将来の視点〟を持ち出して、国民に聞こえのいいことばかりを訴えても、何の意味もなさないのだ。
2022年度予算案に国民民主党が賛成したことは、新しい政治が始まることを示唆したと言える。今後、この機会をどう生かすのか、それは国民の責任でもある。