名護東海岸・二見名物? 走ると民謡が鳴り出す「メロディーロード」

 
この記号が目印だ

 旧道沿いに下りたならば、海岸沿いの道路上に突如青い大きな「ト音記号」が現れる。ここがメロディーロードのスタート地点だ。窓を全閉し、時速40kmを維持しながら道なりに車を走らせてみるといい。

 するとあら不思議、二見情話メロディーが車体を通じて聞こえ出す。距離にして400mも無いので集中して耳を傾けよう。

 かなり重低音で鳴り響くため、夜道に1人ドライブだともしかしたら怖いかもしれないが、家族揃って楽しめる不思議なお楽しみロードなのだ。

カラクリは緻密な溝の幅

「メロディーロード」とは北海道に拠点を持つ篠田興行によって特殊施工された道路で、同社による特許も取得されている。音が鳴る仕組みはこうだ。

 専用の重機により道路の進行方向に対して水平な溝を一定間隔でいくつも刻んでいく。車両がこの溝列の上を通るとタイヤと溝間の摩擦によって音が生まれ、溝と溝の間隔が狭いほど高音、間隔が広がるほど低い音が鳴るのだ。実に緻密な摩擦幅計算によってメロディーを奏でているわけである。

 さらに左右のタイヤそれぞれに別々の溝幅を走らせることで、輪唱サウンドも可能にしている

メロディーが生み出すさらなる効果

 メロディーロードには単に音を楽しむこと以外にも様々なセーフティードライブサポートがあり、日本全国北は北海道から東北、長野、愛知、滋賀、和歌山、鳥取、広島などにも設置されている。

 しかも設置エリアごとに関連したメロディーが流れるようになっており、北海道であれば「知床旅情」、和歌山県なら「見上げてごらん夜の星を」、広島ではトトロの「さんぽ」、鳥取では「ゲゲゲの鬼太郎」などだそうだ。

ドライブサポート効果としては

長距離間ドライブに使用される道路に設置することで、眠気や退屈感の防止

制限速度で走ると聞きやすくなるように設計し、スピードの出し過ぎを抑制

事故多発場所や横断歩道の存在を予告

連続的な道路勾配が続く道で、速度錯覚を抑える

溝による雨天時の路面背水効果や制動効果

などが挙げられる。

 沖縄のような車社会には最適な交通安全対策にもなり得る上、それぞれの地域にまつわる民謡などを仕込めば町おこしにも繋がるのではないだろうか。

 二見旧道のメロディーロードは、バイパス開通によって二見区が素通りされてしまわないようにとの願いを込め設置された経緯もあるようなのでぜひ立ち寄ってもらいたい。

二見の目の前に広がる大浦湾も癒される景色だ

 メロディーロードを体験するだけでも二見を訪れる価値は大いにあるし、他人と接触する心配もない家族北部ドライブを楽しんでみてはいかがだろう。

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