石原慎太郎氏死去 沖縄にとってその意味は

 

強硬でもなく弱腰でもなく

 さて尖閣諸島周辺海域の緊張の影響を最も受けるのがうみんちゅー(漁師)だろう。もともと周辺海域はマグロや沖縄では高級魚のアカマチ(ハマダイ)が捕れる好漁場である。しかし前述したように、海警局の船は領海侵入後、日本の漁船に接近し追尾――追い回しをするのが常態化している(詳しくは〈40㍍先に中国公船が 尖閣諸島でいま起きていること〉https://hubokinawa.jp/archives/5178参照)。中国船に追い回されるリスクを負ってまでの出漁は見合わない。そう考えて、一部の漁船を除いて出漁を取りやめているのが現状だ。

 それにしても、中国海警局の船が領海侵入し沖縄の漁船を追尾する事例が相次いでも、「厳重に抗議する」「あってはならないこと」「断じて容認できない」と、日本政府は口先だけのパフォーマンスを見せるだけだ。強硬でもなく弱腰でもない、しなやかでしたたかな外交を築く時に来ている。石原氏が亡くなった今、あらためて考えてみる必要があるのではないか。

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友寄 貞丸

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伊江村出身。1990年から主に中国、台湾の取材執筆活動を続ける。2014年11月Uターン。著書に『雲南哀楽紀行』(愛育社)など。国境を越えても一線を越えない旅と取材を信条とする。

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