「沖縄署騒動」とネット言論 問題点を冷静に振り返ってみる

 

 先月27日深夜から28日未明にかけ、沖縄署の前におよそ300人の若者が集まり、石や生卵、ロケット花火などを警察署に投げ込む騒ぎが発生した。

 これは27日未明に17歳の高校生が警察官と「接触」し、右目の眼球が破裂する大怪我を負ったことがキッカケだ。「警察が暴力を隠蔽しようとしている」という旨のメッセージがSNSなどで拡散され、若者が抗議のため警察署に集まった。ある種のお祭り騒ぎとなった警察署前だが、発生から数日経った今では、その「お祭り」会場はネット言論空間へと移っている。

 今回の一連の事件を、私は3つに区分できると考える。この記事ではそれらを「因数分解」しそれぞれの問題点を洗い出してみよう。

第一の事件

 そもそもの発端となったのは27日未明のことだ。まずはこれを第一の事件と呼ぶ。

 警察の発表によれば、バイクの暴走により通報を受けた警察官が巡回中に、バイクに乗った高校生と「接触」、警察官は腕に擦り傷を負い、高校生は右目眼球破裂、眼底骨折の重傷を負ったというものだ。

 しかし高校生や友人などの証言によれば、事件の直前にコンビニにたむろはしていたが暴走行為はしていなかったとのこと。また高校生側は「警察官からの補導をおそれて逃げていたところを警棒で殴られた」とも主張しており、警察・高校生双方の主張が大きく食い違うこととなっている。この第一の事件に関しては、いまだ不明な点が多くあり、外部の人間が何かを断定して語るのは難しいだろう。

第二の事件

 この「第一の事件」を受け、SNS上などで警察側の対応を疑問視する投稿などが拡散。沖縄署の前に抗議の若者たちが多く押し寄せることとなった。これが第二の事件だ。

 そもそもの抗議に正当性があったのかは第一の事件の事実関係による所が大きい。「投石などの暴力的なデモは良くない」という大前提を踏まえた上でだが、少年の主張がおおむね正しく、警察の「加害」が事実であったのであれば、この抗議には一定の意味合いがあるだろう。その一方、警察側の発表がおおむね正しければ、「誤情報で若者が煽動された暴動事件」ということになってしまう。

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