台湾・和平島の「琉球漁民慰霊碑」国民党に撃ち殺された琉球人
- 2022/1/25
- 国際
事件沈静後、社寮島は「和平島」に改められ、現在に至る。この間、基隆の住民らは島内に散在していた琉球人やオランダ人、スペイン人などの無縁仏を収集し、萬善公祠に納め、祀った。この行為に感銘をうけた沖縄有志は、2011年、島の公園内に「琉球漁民慰霊碑(琉球ウミンチュの像)」を建てた。慰霊碑の基壇の上には一本銛を手にした勇ましい琉球漁民像を乗せ、碑の裏側には「琉球ウミンチュの像建立由来」を刻み、沖縄の方向に向けて佇ませた。
沖縄を追憶 物産展開催中
一昨年より世界はコロナウイルスが猛威を振るっている。台沖双方の人々の往来もままならぬなか、公園の管理事務所は在台沖縄関係者と共催で、公園内のビジターセンターにて、2回目の「共島季~和平島上的沖縄追憶(和平島で沖縄を追憶)」沖縄物産展を開催している。そして、「二二八事件」で犠牲になった琉球人を偲ぶため、会期の最終日を2月28日に設定した。
会場で来場者は冬の海風が吹く中、色彩鮮やかな琉装をまとい、三線を弾き、ちんすこうを食べ、かつて島でともに暮らしていた琉球人の故事を語り合い、台沖双方の先人たちの生活を思い出す。このように近年の和平島では、社寮島時代の年月を回想し、歴史を後世に残す努力をしている。