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共通テスト当日に新規感染最多「一発勝負の入試」改革の必要性
- 2022/1/22
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1月15日、16日に実施された今年の大学入学共通テスト。その傍ら、新型コロナウイルスの新規感染者数は年明けから急増し、奇しくもテスト初日の15日には、沖縄だけで1829人と過去最多を更新しました。しかし、過去に例のない感染爆発の状況下でも、昨年同様、各試験会場では特に大きな混乱もなく試験は無事行われました。そしてここからは、各大学の個別試験など多くの入試が続いていきます。
未だ先の見えないコロナ禍。子供たちの進学機会が妨げられることのないよう、文科省をはじめとする各関係機関の必死の努力が見られる一方、「一発勝負」の入試文化から脱しきれない日本特有の課題を浮き彫りにしているとも言えるのではないでしょうか。コロナ禍の大学入試から見える「入試改革の必要性」に迫ります。
文科省、共通テスト出願者への徹底した配慮
オミクロン株の猛威が国内にも及び始めた年末年始。共通テスト直前のこの時期にあっても文科省の動きは早く、受験の条件を昨年以上に丁寧に整理して準備を強化しました。
例えば、試験当日、陽性者や熱などの症状がある場合は受験できませんが、濃厚接触者であっても試験前までにPCR検査で陰性が確認でき、当日も症状がなければ受験が認められます。これは昨年と同じ方針ですが、濃厚接触者がこの条件を満たして受験しようとする場合、自家用車やタクシーなど公共交通機関以外を利用して会場に向かわなければならないと決められています。そこで文科省は、やむを得ずタクシーなどを予約する出願者への対応として、急きょタクシー事業者と事前協議の上、同省に相談窓口を設け、代わりに予約する体制まで整えたのです。これまでの常識では考えられないもので、この迅速で丁寧な対応は十分評価すべきでしょう。
大学にも受験機会の確保徹底を号令
文科省は各大学に対する異例の通知も行いました。それは、大学受験の機会確保を徹底せよというもの。具体的には、各大学の個別試験において、追試を設けるか別日程への振替(例えば一般選抜の前期日程出願者が受験できない場合、後日の総合型選抜や一般選抜の後期日程に、受験料追納なしの変更を認めること)を行うこと、共通テスト利用大学への出願者が万一共通テストを受験できない場合でも何らかの方法で選抜できるように配慮することなどを強く求めたのです。コロナ禍での入試として、昨年の実績とある程度の準備があったとはいえ、今回の感染爆発にあっても大学進学の機会が妨げられることが絶対あってはならないとする同省の強い姿勢を各大学、そして全国の受験生に示した形です。
県内各大学の対応
これを受けて、県内各大学でも対応が準備されています。例えば、文部科学省のホームページでまとめて公開された情報によると、琉球大、名桜大、県立芸大では追試を設定。沖国大、沖縄大、キリ学大、キリ短大は別日程への振替を認めることとし、県立看護大や沖女短大は試験区分によって追試又は別日程への振替を実施することとしています。