2人続けて村長が不祥事で辞職 伊平屋村の名嘉律夫新村長に聞く(上)

 

――前村長の不祥事は、職員が村長印を勝手に使って文書に捺印したということですね。民間で考えると、もう公文書偽造ですよね。当該職員は懲戒解雇ではなく、他の部署に異動し、その後も再任用されたと聞いています。この処遇については?

 「職員が村に損害を与えたとして、その時点で逆に村長が職員をちゃんと罰すれば良かったんです。それを他の部署に異動させただけでよかったのか。村長は指揮を取りませんでした。いろいろと事件があったんですけど、村長が自ら把握してなかったのが要因でした。職員はやりたいようにやっていたので、課長や補佐役を置いてチェック体制を整えておけば、何の問題も起きなかったはずです」

伊平屋村役場

公僕との意識からかけ離れていた職員

――企業などではよくコンプライアンスって言いますね。役場自体には?

 「なかったです。村長自体がコンプライアンスなんて知らなかったんじゃないですか(笑)」

――名嘉村長が就任した時、役場と職員の雰囲気はどうでしたか?

 「もう閉鎖的で、本来の役場の空気じゃないんですよ。この間、漁業協同組合長からヤイトハタ(アーラミーバイ)を売り込みたいと要請があったので、ある方を訪ねたんです。その方は『ちょっと難しいかな』と言うので、酒の席で『何とか売れないか』と頼み込むと、『大手企業の社長と知り合いなんで』と紹介していただきました。

 一番感じたのは、その会社に私が入っていったら、全員起立で『いらっしゃいませ』と。役場の雰囲気とはとてもじゃないけど、違うんですよ。もうトップ企業ですから、来る人に対して礼儀が半端じゃない。全員起立ですよ。何事が起きたかって思うぐらいでした。

 行政もこうじゃなきゃいけないんですよ。誠実じゃなきゃいけない。それと努力と奉仕。会社もそうなんですけど、そういうことをきちんとやれなかったら、行政として成り立っていけない。今まで何度かこういうこと(不祥事)が起きていて、それが一向に改善されないっていうのは、やっぱり首長の責任じゃないですか。

 それとやっぱり部下の教育ですよ。ちゃんと指示をして、全体的にある程度、課長たちの能力を掌握していきたいです」

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