琉球ブルーオーシャンズ 新たな挑戦で地域に根づいて欲しい

 

アカデミー開校の計画も

 台湾プロ野球リーグ参入についても、「突然降って沸いた話しではなく、5月から交渉をしていて、自分たちに出来ない点、規定も把握している。問題解決に向けて来年年明けにも、関係者等と交渉を続けていくんですよ。日本語訳で誤解を生んでしまったかもしれませんね」と理由を説明した。

 そして、苦しみの中から生み出した新たな挑戦について話し始めた。

 「沖縄の地の利を生かし、将来性を考えて、来年春にアジアの外国人を迎え入れて、アカデミーを開校しようと計画しています。ただし、飛行機が飛ぶようになっての話しですが・・・」

 アカデミーとは具体的にどういうものなのか?

 「18才〜22才くらいの若いアジアの選手(日本人含む)を受け入れ、教育と野球を合わせて学ぶ事業です。立ち位置は専門学校ですかね。学校と提携し、語学を勉強しながらスポーツを学ぶ。まずは基本の身体作りからなので、勝崎耕世トレーニングコーチをトップに、技術的なものは清水直行監督を始め、臨時講師を招き入れる。将来的に日本のIMG(ニューヨークに本社を置く、アスリートのマネージメント、スポーツイベントの企画運営、マーケティング、メディア、ライセンス事業を行う企業)を目指したいんです」

 そう夢を話した。

 新事業を託された勝崎コーチは、「そもそもアカデミーは自分がやりたかったこと。きちんと育て送り出す。これまで何を目指すか目的がバラバラだった、しかも資金がなければ何も出来ない。地に足を付け自分たちの身の丈にあった事業をしないと。僕が出来ることを若い人に教えていければ」と意欲を示した。

「こんなに叩かれているのに19人も参加した」

清水監督自らノックを打つ

 また、清水監督は、「こんなに叩かれているのにトライアウトに19人も参加し、球場も貸してもらえた。みんなに感謝です。今、僕が野球人として何ができるか。ニュージーランドで野球をした時、野球の技術よりも日本の躾、教育姿勢に感謝された。だから、外国の選手に野球だけでなく教育機会を与えるのはよいことと思う。」と賛同した。

 その上で、「ずっとお願いしてきたことだけど、代表たる者は、チームの目的、健全な立ち位置をもっと明確に示さないと駄目。不透明のままだと憶測を生む。北川さんはよくやっているんですが、表現がクールで誤解を生みやすい。きちんと説明して周りに納得させて欲しいと要望している」と正直に話してくれた。

 そして2022年について、「今の状況を踏まえて、日本プロ野球と同じようにやろうとしても無理がある。例えば独立リーグみたいにキャンプもなく、3月末か4月に開幕して9月に終了、空きの期間は自分で稼ぐ。時間も気持ちも余裕を持って活動しないと難しい。選手も、本当に野球をやりたいなら、自分で稼いだお金で門戸を叩いてお願いに行くくらいの気持ちが欲しいよね」と貪欲さを求めた。

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