4党が沖縄で「全国一」に 衆院選の比例得票率

 

南部や離島で自公、共産は那覇で食い込む


 比例得票率を、沖縄県内41市町村別でみていこう。

 自民の得票率が最も高かったのは与那国町(37.4%)で、渡名喜村(34.8%)、粟国村(34.2%)と続く。人口規模が大きい宮古島市(34.0%)が4番目にラインクインしており、離島や沖縄本島南部での得票の高さが目立った。

 公明は北大東村で得票率が50.1%と最も高く、公明党沖縄県本部によると、これは全国の市区町村別で最高値だった。投票した2人に1人が比例で公明に投じたことになる。公明党関係者によると、支持母体となる創価学会関係者に地元の名士がいることや、候補者が離島回りを欠かさないことが得票率の高さにつながっているという。人口規模が小さく大票田ではないものの、公明は小規模離島や町村部に強みがある。ただ、革新地盤とされる沖縄本島中部では得票が伸び悩んでおり、得票率が軒並み低い傾向があった。

 野党各党は、公認候補を擁立した選挙区の地域で比例の得票が多い傾向があった。沖縄3、4区に立てた立民は今帰仁村(26.1%)や金武町(25.1%)など、両選挙区に包含される地域で得票率が高かった。


 共産は県内で約6万の比例票をかき集めたが、特に公認候補を擁立した沖縄1区の大票田、那覇市でその3分の1に相当する20,592票を集めたことが全体の得票を押し上げた。那覇市の得票率(14.9%)は41市町村のうち3番目の高さで、豊見城市(13.2%)も4位にランクインしている。

 立民との合流で党勢低迷が不可避となった社民だが、沖縄では一定の踏ん張りを見せた。特に公認候補を擁立した沖縄2区の市町村では、比例も社民に投じた有権者が多かった。県内41市町村で社民得票率トップは北中城村(25.8%)で、続いて読谷村(20.9%)、中城村(19.9)、西原町(19.3%)と、2区に集中している。

 れいわは沖縄選挙区で候補を立てていなかったが、粟国村(8.9%)や竹富町(7.4%)、今帰仁村(7.1%)などで得票率が高かった。

 2022年の沖縄は名護市長選や参院選、知事選など重要選挙が控える。支持拡大に向けた各党の戦略に注目したい。

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