完成間近!琉球漆器のストリートピアノ!600年の伝統を乗せて

 

 那覇市にはすでに空港国際線ターミナル内に、アーティストのアルベルト城間さんが寄贈したストリートピアノがある。新型コロナで減ってしまった人出や賑わいを取り戻すきっかけになればと贈られたものだ。今回の漆器ピアノも、置かれる場所は未定だが、那覇の街行く人たちが思わず触れて、自由に弾いてもらえる名物スポットにして地域の活性化につなげたいという思いも込められている。

漆とピアノの”黒い”関係

 漆とピアノには、いまでは当たり前になっている深い関係がある。日本にピアノが持ち込まれたのは江戸時代末期、そして作られ始めたのは明治に入ってからとされている。ヨーロッパでは材質の木目調そのものといった、さまざまな色合いのピアノがある。しかし湿気の強い気候の日本では、ピアノが傷まないようにコーティングする必要がうまれた。

 その塗料として選ばれたのが漆だった。さらに黒うるしを使ったところ生まれた高級感も好まれたり、木目調のままだと材木の組み合わせに統一感がなければ見た目がおかしくなってしまうが、黒く塗ってしまえば問題がなくなったりするなどのメリットから、黒い色がスタンダードとなり、逆に黒いピアノが海外にも波及していったという。現在は安価な化学塗料が主流だが、漆とピアノは相性が良いのだ。

費用造成でクラウドファンディングを実施

 琉球漆器の匠たちはストリートピアノ完成に向けて全力を注いでいるが、市からの補助金だけでは原材料費やコンサート開催にかかる費用などが全ては賄えず、クラウドファンディングを12月22日まで実施して、サポートを呼びかけている。またピアノの故郷になる大道保育所(旧松川保育所)の卒業生などゆかりある人たちに、まだ場所や時間など詳細は未定だが、クリスマスコンサートへの参加も声掛けされている。装いも年季の入った音も美しいピアノの音色が、師走の那覇の街を彩ってほしい。

☆琉球漆器ピアノプロジェクト
クラウドファンディングサイトLink-U(リンクユー)
https://a-port.asahi.com/okinawatimes/projects/ryukyusikkipiano/

  

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