チョコ「OCA」県内展開 ベトナムカカオ産業へ適正還元の恩返し
- 2021/2/10
- 経済
2月14日はバレンタインデー。華やぐ一日の影で、チョコレートの原料となるカカオ栽培は、重労働にも関わらず卸値を安く叩かれ、持続的な農家運営が難しい現状がある。
「農家へ利益を残し、地元の産業を活気づけたい」ー。そんな想いで誕生したのが、株式会社シーポイント(浜松市、野澤浩樹代表)が手掛ける、ベトナム産のオーガニックカカオを使用したチョコレートブランド「OCA(オッカ)」だ。同社の沖縄支店(浦添市)は、菓子製造販売を行う有限会社ハッピーフィールド(宜野湾市)に製造を委託し、県産黒糖とベトナム産カカオをブレンドした県内限定商品「CACAO ヌガティーヌ」などを展開している。
循環型農業で栽培された上質のカカオ豆を現地の工場で加工して商品化し、適切な利益還元でベトナムのカカオ産業の発展に寄与している。
卸値の安さで辞めていくカカオ農家
OCAの原料で使用されるカカオの生産拠点は、ベトナム南部のメコンデルタ地方にあるバリア=ブンタウ省。ここの肥沃な土壌で生産されるカカオ豆は世界的な評価が高い一方、現地では農家が収益を上げられずに離農している現状があった。
世界的なチョコレート人気でカカオ需要は上昇しており、国際ココア機関の統計によると、世界のカカオ豆の総生産量は、1998年からの20年間でおよそ1.7倍に拡大している。その一方で、発展途上国のカカオ農家の中にはその収益の少なさから、カカオが原料であるチョコレートを食べたことがない人もいるなど、貧富の南北問題を象徴するような作物でもある。