チョコ「OCA」県内展開 ベトナムカカオ産業へ適正還元の恩返し

 

JAS認証マーク付きのベトナムオーガニックカカオを使用したチョコレートブランド「OCA」

 2月14日はバレンタインデー。華やぐ一日の影で、チョコレートの原料となるカカオ栽培は、重労働にも関わらず卸値を安く叩かれ、持続的な農家運営が難しい現状がある。
 「農家へ利益を残し、地元の産業を活気づけたい」ー。そんな想いで誕生したのが、株式会社シーポイント(浜松市、野澤浩樹代表)が手掛ける、ベトナム産のオーガニックカカオを使用したチョコレートブランド「OCA(オッカ)」だ。同社の沖縄支店(浦添市)は、菓子製造販売を行う有限会社ハッピーフィールド(宜野湾市)に製造を委託し、県産黒糖とベトナム産カカオをブレンドした県内限定商品「CACAO ヌガティーヌ」などを展開している。
 循環型農業で栽培された上質のカカオ豆を現地の工場で加工して商品化し、適切な利益還元でベトナムのカカオ産業の発展に寄与している。

卸値の安さで辞めていくカカオ農家

 OCAの原料で使用されるカカオの生産拠点は、ベトナム南部のメコンデルタ地方にあるバリア=ブンタウ省。ここの肥沃な土壌で生産されるカカオ豆は世界的な評価が高い一方、現地では農家が収益を上げられずに離農している現状があった。

ベトナム南部・バリア=ブンタウ省(Google Mapsより)

 世界的なチョコレート人気でカカオ需要は上昇しており、国際ココア機関の統計によると、世界のカカオ豆の総生産量は、1998年からの20年間でおよそ1.7倍に拡大している。その一方で、発展途上国のカカオ農家の中にはその収益の少なさから、カカオが原料であるチョコレートを食べたことがない人もいるなど、貧富の南北問題を象徴するような作物でもある。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ