県、政府の緊急事態宣言対象への追加を要請
- 2021/1/23
- 新型コロナ・医療
県は22日、新型コロナウイルスで政府が発出する緊急事態宣言の対象に沖縄を加えるよう、国に対して要請を行った。玉城知事は同日、県庁で会見し「落ち込んだ県民経済を回復へと歩みを進めていくためには、感染拡大を抑え込むことに加えて特定都道府県と同様の財政支援策が重要になる」と強調した。
1月に入り、県内では感染が急激に拡大。21日時点で、直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)は全国4位の44.89人となり、昨年8月の第2波時点で記録した42.97人を上回った。
医療体制では、新型コロナの病床占有率が22日時点で85.9%、コロナ以外の病床利用率は県全体で96.1%、このうち沖縄本島地区は97.4%とひっ迫しており、県は「地域医療の崩壊が目の前に迫っている」と強調している。
感染拡大を防止するため、県は19日に独自の緊急事態宣言を発出。ただ、県が飲食店などへ実施する時短要請の協力金は1日当たり4万円。また、観光客の急減で打撃を受ける県内観光団体は、飲食店以外にも経営支援を行うよう県に求めている。
沖縄が政府の緊急事態宣言の対象地域か、準ずる地域に指定された場合、飲食店などへの協力金は6万円に増額となる。また、政府の緊急事態宣言が発令された地域の飲食店と直接・間接の取引がある事業者などへ要件を満たせば法人40万円以内、個人事業者等は20万円以内の支援も発表されている。
要請書で、県は「現在の沖縄の感染状況は、特定都道府県として指定された11都府県と同様か、それ以上であると認識している」と指摘。その上で、「医療体制を守るためには、国の支援のもと、県や市町村、医療関係者、専門家などが協力して迅速に対策を進めていく必要がある」とした。
また、「感染防止対策の実効性を高めるためには、事業者の協力が必須であり、国による財政支援が重要だ」として、▽医療機関への支援拡充▽中小事業者への一時金の実施▽業種を要件としない新たな支援制度の創設▽雇用調整助成金の特例措置の再延長-なども求めている。
(記事・写真 宮古毎日新聞)