宮古島「バブル」からコロナ禍へ 変化の只中で島は

 

「さすがに家賃の上がり方が異常でした」

 そう振り返るのは、宮古島市平良の「住宅情報センター」で執行役員を務める前里幸彦さんだ。
 宮古島では2018〜2019年にかけて、入域観光客の激増とそれに伴うホテル開発、公共工事の建設ラッシュによって急激な住居不足や家賃高騰が起こり、一時期「宮古島バブル」という言葉が全国メディアの報道に踊ったほど。建設業やホテル業に携わる多くの働き手が島に入ったことで、宮古島で深刻な住居不足に陥ったためだ。

入居99%が空室200に

 通常は1Kの間取りで3〜4万円台だった家賃が、ピーク時には10万円を超えて「東京都心並み」にまで高騰した。住居そのものが無かったため、10万円出してもいいから借りたいという需要にすら応えられない状況。市街地郊外に簡易的に建てた、風呂トイレ共同のコンテナハウスが8〜9万円という物件もあった。

 ところが、2020年に入ると新型コロナウイルス感染拡大によって、低価格の物件で1K約5万円程度に下がったという。前里さんによると、「それでも通常の相場よりは全然高い水準」だそうで、借り手がつかない状態だという。
 物件を建てた時に高い資材費と人件費を支払ったため、オーナーは値下げに消極的だ。10万円から7万円、5万円と刻みながら下がっていっているが、現在住宅情報センターが扱っている範囲では宮古島市内で約200室の空室があるという。

「あの時は99.9%埋まっていたんですけどね」

前里さんはそう話す。

次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ