「市民の選択、真摯に受け止める」落選の下地氏 宮古島市長選
- 2021/1/19
- 政治
「12年間姿勢を担ってきて、宮古島を非常に安定した形にしてきたと思っている。市民が新たな形を願う選択をした。それは市民の選択なので、真摯に受け止めている。12年間しっかりとやってきた。長い間ありがとうということを伝えたい」
1月17日に投開票された宮古島市長選で、前県議会議員で無所属新人の座喜味一幸氏に敗れた現職の下地敏彦氏。これまでの3期12年で取り組んできた経験と実績を強調し、自身の「市政の総仕上げ」として4期目を目指したが及ばなかった。
盤石の体制も及ばず
下地氏が出馬表明をしたのは昨年10月。座喜味氏が候補に名乗り出る“気配”は前回の県議選の時に漂い始めていたという。下地選対の関係者は「もしかしたら、とは思っていたが本当に出馬した時は『まさかやー』と思った」と話す。
選挙戦序盤から「刷新」を訴える座喜味陣営の勢いに押され、下地陣営は「始めは正直言ってたじたじになってた。『もともとは仲間』という意識がある人もまだいるので、ある種のやりにくさも多少あった」(選対関係者)。
建設業など経済関係を中心に多くの団体の推薦を受け、市議会議員22人のうち与党18人全員の支持を取り付けて盤石な体制で選挙戦に臨んだ。
投票率を前回市長選並(68.23%)と見込んで当確ラインを1万5000票に設定。世論調査の数字で危機感を覚え、12月に入ると組織力を総動員して保守票の囲い込みを強化し、年末からはさらにスパートをかけた。
「信じられない」票差
自民党は来年秋の知事選での県政奪還へ向けた足がかりとして、今回の市長選を重要視。県外からも人員が送り込まれた。下地氏は県内保守系市長でつくる「チーム沖縄」の長も務めるため、今後の県政への影響力も踏まえると「負けられない戦い」(選対幹部)だった。
宮古島出身の下地幹郎衆議院議員も現地入りし、下地選対とは別に事務所を構えて陣頭指揮を執った。
期日前投票では持ち前の組織力で大きく票を伸ばし、下地陣営は一時的に安心ムードになったが2,782票差での落選となった。