FC琉球上里一将選手 キャプテンの重みと苦しみと

 
沖縄県のためにブルーのチャリティユニフォームを着用 ©️FC琉球


 沖縄のプロサッカーチームFC琉球のJ2昇格2年目のシーズンが終わった。22チーム中16位。勝ち点こそ昨年を上回る50に達したものの、順位は2つ下がって16位だった。
 シーズン終了翌日、名護市で行われたでサッカー教室に参加した、FC琉球キャプテン上里一将選手(34)に話を聞いた。


 2020年1月「J1昇格!」を目標に、選手、スタッフ、関係者一同護国神社で祈りを捧げた。春季キャンプは天候にも恵まれ順調に進んだが、新型コロナウイルスの陰がじわじわと広がり始めていた。開幕戦こそ日程通り2月に行われたが、やはりその後は休止、再開したのは6月28日で無観客での再開だった。

ゴールを決め真っ先にスタッフのところに駆け寄った ©️FC琉球


 昨年、ホーム30試合連続無敗記録を打ち立てたFC琉球にとって、力を与えてくれるサポーターのいない試合は、厳しく苦しい展開になる。スタートダッシュにつまずき、その後もチームの歯車がかみ合わず、勝利を手にすることが出来ない。初勝利は8月1日まで持ち越された。


 コロナウイルスの影響で、マスコミの取材もネット上のみ、話を聞けるのは1試合2選手と決められていて、敗戦試合の場合は、ほとんどキャプテンの上里一将選手が対応した。「勝つ気持ちを共有できなかった僕の責任」。「みんなで同じ方向を向けなかった僕の責任」と、常に重い荷物を背負い、自分を追い込んでいた。


 今シーズンは休止期間を相殺するため試合日程がとても厳しく、中二日、中三日が当たり前になっていた。陸続きのチームとは違い、必ず飛行機に乗って長距離移動を強いられるFC琉球は、体力的、心のストレスも相当で、無理をすれば怪我に繋がり、試合に出られる選手が限られた時期もあった。そんな中でも、上里一将選手は42試合全てに出場し、先発出場も35試合にのぼる。キャプテンとして試合に出ないことはあり得ないことだったのだ。

試合中に頭を怪我、それでも試合に出続けた ©️FC琉球
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ