おうち時間発×沖縄密着型アイドル「Ka☆Chun! from 琉球アスティーダ」誕生

 
メンバー(左から)夢叶 ゆのん(ゆめかな ゆのん)/羽鳥 瑠愛(はとり るうあ)/花城 カレン(はなしろ かれん)/柚花 優歌(ゆずか うか)/蘭 ぬま(あららぎ ぬま)

 卓球Tリーグチーム琉球アスティーダを運営する「琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社」と、東京に本社を構える女子大生マーケティング会社「株式会社KIRINZ(キリンジ)」が共同開催したオーディションにより、“おうち時間発×沖縄密着型アイドル”「Ka☆Chun! from 琉球アスティーダ」(以下Ka☆Chun!)が2020年12月に誕生。2021年2月6日(土)の琉球アスティーダホームマッチにて、デビューソングを初披露し、無事デビューを迎えた。

 Ka☆Chun!のオーディションは従来のアイドルオーディションと違い、完全リモートで実施された。書類選考からアプリケーションを通じて3ヶ月にも渡るオーディション開催となったが、メンバーが決定するまでの間、なんと審査を行う2社の社員らは一度も彼女たちと対面していない。

 完全リモートでのオーディション、そして視聴者を巻き込んで行われた投票は、もしかすると今後のアイドルオーディションのスタンダードになるかもしれない。

異例の「完全リモート・3ヶ月間」オーディション

Ka☆Chun!ロゴマーク。 Ka☆Chun!(かちゅん)は沖縄の言葉で「勝利」を意味し「☆」は勝ち星を表す

 アイドルオーディションは通常、書類選考通過後から最終審査まで審査員を前にして1ヶ月程度行われるのが一般的だが、Ka☆Chun!のオーディションは一貫して完全リモートかつ3ヶ月間という期間を通して実施された。

順を追って説明したい。まず一次審査は書類選考。ここまでは通常のアイドルオーディションと変わりなく、募集要項を満たしているかなどをチェックされ、通過者は二次審査へ進む。二次審査からが独特だ。

 一時審査通過者はまず、ライブ配信や視聴、動画編集、投稿などが出来るコミュニティアプリ「ミクチャ」をダウンロードし、自身のアカウントを作成する。そしてミクチャを用いてそれぞれが好きな時間・好きな内容でライブ配信を3ヶ月間行う(配信自体が二次審査のオーディションとなる)。

 ミクチャは視聴者が「推し(応援するメンバー)」にポイントを投函できる仕組みとなっており、ファイナリストたちは3ヶ月間、それぞれが配信を工夫しながらポイント獲得数を競い合う。(※必ずしもポイントだけが選考基準になるわけではないが、影響力は大きい)

 その後ポイントを考慮して最終選考が行われるが、最終選考までの間ほとんど審査員は蚊帳の外であり(メンバーのサポートやミクチャでのオーディションの広告などが主)、審査の大部分が一般視聴者に委ねられる。

ライブ配信オーディションのメリット

写真はイメージです

 実はこのやり方には、コロナ禍に対応する点以外にも様々なメリットがある。まずオーディション時点から認知され、さらにファンを獲得できることだ。

 視聴者がポイントを送るためには課金もしくは広告を一定時間閲覧する必要があるため、熱烈に推したいメンバーがいる場合、視聴者は必然的に時間やお金を推しのために捧げることとなる。つまりただの視聴者投票ではなく、しっかり自分のために行動を起こしてくれるほど明確なファンを獲得する必要がある。デビュー前からファンを獲得できるのは心強い。

 また、メンバー自身もファン獲得により、アイドルとしての自覚や自信、モチベーションの獲得につながることもメリットだ。逆に、うまくファンを獲得できない期間があったとしても、モチベーションの維持や方向性の試行錯誤など、一つひとつの課題に立ち向かうことで成長にも繋がるだろう。

 ほかにも審査員の好みに偏らず、一般視聴者の目線でアイドルとしての気質を図れる点や「出来レース」の防止になる等、公平性の担保にも繋がっている。

 今回のオーディションについて株式会社KIRINZのKa☆Chun!マネジメント担当・吉田竜也(よしだたつや)さんはこう話す。「今回は従来のオーディションとは違い、パフォーマンスよりもアイドルとしての気質や、ファンにどれだけ寄り添えるか等の気持ち面を重要視しました。共に歩んでいこうとする気持ち自体が審査対象になっています」

 昨年、NiziU(ニジュー)のオーディションが全国的に公開され、「感動した」「涙が止まらない」「応援したくなる」など大きな反響を呼んだが、これからはオーディション時に見せる人柄や姿勢などが注目される時代なのかもしれない。

長期配信により努力や工夫が認められる仕組み

写真はイメージです

 二次審査に進んだセミファイナリストはおよそ50名(中にはライブ配信でのオーディションに自信が持てず、辞退した人もいた)。

 最年少のメンバー花城カレンさんは、ライブ配信経験者である上に配信イベントの主宰に関わっていたこともあり、出だし好調だった。スタートが良かっただけに後半のプレッシャーや他のメンバーにどう思われているか気になる時もあったそうだが、自分は自分と割り切って配信を楽しむよう心がけることで乗り越えた。

 経験者が有利に見えるこのオーディションだが、実際はそうではなかったようだ。なにしろオーディション期間は3ヶ月。「開始から1ヶ月経った頃には、経験の有無は関係なくなっていました」と吉田さんは振り返る。また、ミクチャの特徴として「挑戦者を応援したい視聴者」が比較的多く集っているため、未経験のメンバーであっても自分自身やファンに向き合うことで結果を出すことができた。

 ライブ配信によるオーディションとなるとメンバー同士の交流はなさそうに思えるが、互いの配信を見に行くなど間接的な交流はあったそうだ。印象的だったのは、オーディションを辞退しようとしていた「夢叶(ゆめかな) ゆのん」さんが、他のメンバーの配信を見て辞退を取り止めたというエピソードだ。配信を見て「この子と一緒にやりたい」という気持ちが芽生えたという。

 多くのドラマがある中で特に盛り上がったのは、やはり予選最終日だった。これまで3ヶ月間配信してきたからこそ感慨深くなるのは無理もない。応援してくれたファンのためにも「ちゃんと残りたい」と涙を流すメンバーもいた。最終日を終えた後は、投票結果+審査員同士の議論により最終メンバーが選抜された。そして最終審査でやっとダンスと歌の披露となる。が、これももちろんリモートでの審査。

 すべての審査が完了した後、ライブ配信・WEB投票・Twitterリツイート数(拡散力の審査)などを総合的に判断し、歌とダンス、面談で聞いた想いや意気込みなどを加味した上で、計5名がKa☆Chun!メンバーに選抜された。

それぞれの個性を活かしながら、元気を届けたい

 こうして「おうち時間発」で誕生したKa☆Chun!だが、今後は新型コロナウイルスの状況などに考慮しつつ、ライブや握手会などのリモート外の活動も随時行う予定だ。

 メンバーは、それぞれの個性を活かしながら沖縄の「ご当地アイドル」として、沖縄企業のPRや琉球アスティーダのプロモーション活動などを中心に活動しつつ、全国に向けてもPRしていきたいと話す。

 「Ka☆Chun!」のデビューソング「太陽チャージ」は、挑戦し続け、頑張る全ての人々へ向けて元気が出るようにという願いと、Ka☆Chun!が沖縄をはじめ全国、世界を照らす太陽になるという強いメッセージが込められている。また、“次こそ”、“リスタート”、“ワンモアタイム”といった歌詞を以って、共に諦めずにチャレンジをし続けていきたいという意気込みも表現した。

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三好 優実

三好 優実

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香川県出身・沖縄移住歴6年目のフリーランス編集者・ライター。主に沖縄県内の観光・グルメ・経済について執筆。シリーズ本「香川県あるある」の著者。

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