県内景況「拡大基調」維持 個人消費も底堅く推移 日銀那覇4月

 
(日本銀行那覇支店)

 日銀那覇支店(小島亮太支店長)は12日、2024年4月の県内金融経済概況(主要指数は2月)を発表し、景気判断について「拡大基調にある」との判断を維持した。昨年10月に引き上げて以降、7カ月連続での判断となった。個別項目もすべて判断を据え置いた。


 個人消費は、引き続き「緩やかに増加している」と判断した。百貨店やスーパーの販売額(全店舗)は、前年比で10.6%の増加となった。客単価が上昇する中でも、食料品を中心に販売量が底堅く推移した。2月は、休日が昨年よりも1日多かったことも寄与した
 

 外食サービスでも、県民の堅調な需要や観光客数の回復に支えられる形で、売り上げが伸びているという。

 小島支店長は、実質賃金が下がっている状況でも個人消費が伸びた理由について、労働市場に参入する高齢者層や専業主婦などが増えており、家計全体の落ち込みは少ない可能性があると指摘した。

 また、コロナ禍で消費が抑えられた反動のペントアップ需要が続いているほか、インバウンド観光客の増加も影響していると説明。一方で、「高額商品や『ハレの日』の売り上げが増加しているが、生活防衛的な消費行動も見られている」とも述べた。

 観光の判断は、「拡大基調にある」が維持された。2月の入域観光客数は、前年比プラス20.3%。主要ホテルの稼働率は66.9%で、前月比14.7㌽上昇した。スポーツキャンプの観戦目的で、旺盛な観光需要がみられたという。

 ただ、那覇市内ホテルで稼働率が78.4%だったのに対し、リゾートホテルは61.3%にとどまった。旅行費用の上昇が影響している可能性があるという。

 先行きについて同支店は、引き続き「拡大基調が続くとみられる」とした。小島支店長は、賃金と物価の動きに注視していく必要があると説明した。


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