「沖縄の海を守り抜く」坂本本部長、就任会見 第11管区海上保安本部

 
1日付で着任した坂本本部長=5日、那覇市の第11管区海上保安本部

 第11管区海上保安本部に本部長として着任した坂本誠志郎氏が5日、那覇市の同本部で就任会見を行った。坂本氏は「海上におけるさまざまな活動を通じて、沖縄の海の安心と安全をしっかりと守り抜く。日々の活動や実績を積み重ねることで、県民の信用と信頼を得られる組織でありたい」と意気込みを述べた。着任は1日付。

 坂本氏は1966年生まれの57歳。出生地は佐賀県で、父親の転勤により全国を転々とし、少年時代は沖縄県内の小学校に通学していたこともあるという。

 90年に海上保安大学校を卒業し、これまでに第7管区警備救難部警備課長や海上保安大学校の事務局長などを経て、昨年3月からは第11管区の次長を務めていた。

 坂本氏は、沖縄周辺海域について▽中国海警局所属の船舶の活動活発化▽中城村の海岸にコカインが漂着▽3日に発生した台湾東部沿岸の地震により沖縄本島地方や宮古島・八重山地方に津波警報発令―など、事案発生が相次いでいることから「重要な海上交通路というだけではなく、極めて緊張感の高い海域だと認識している」と述べた。

 尖閣諸島問題については「基本的な方針として、常に中国海警局、相手勢力を上回る巡視船で対応することにしており、領海警備に万全を期している。中国海警局の動きは厳しさを増していると思うので、わずかな変化を見逃すことなく、想定される事態を検討の上、それに備えた訓練を重ねていくことになると思う」と語った。

 沖縄に多く訪れる観光客などによる海難事故については「人気の高まりに伴い、マリンレジャーの事故が多く発生している現実もある。安全パトロールや啓発活動を、粘り強く行っていく」と力を込めた。


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