沖縄の業況、ほぼ全業種で改善 日銀那覇9月短観

 
2023年9月の県内企業短期経済観測調査結果を発表する小島亮太支店長=2日、日本銀行那覇支店

 日本銀行那覇支店(小島亮太支店長)はこのほど、2023年9月の県内企業短期経済観測調査(短観)を発表した。県内企業の景気判断を示す業況判断指数(DI)は、「全産業」で前回調査(6月)に比べ、8㌽改善のプラス39となり、昨年9月調査以降、5期連続でプラスとなった。コロナ禍以前と比較すると、16年9月調査のプラス42に迫る高水準となった。

 小島支店長は、県内の現状について「ほぼすべての業種において、前回の業況判断より改善している」と語った。

 同支店の短観は、県内企業142社(製造業24社、非製造業118社)を対象に、3カ月ごとに景況を聞き、景気が「良い」と回答した企業の割合から、「悪い」と回答した企業の割合を引いた指数となる。今回の調査は8月29日~9月29日までの期間に実施。回答率は98.6%だった。

幅広い業種で業況改善

 同支店は、台風6号などが県内経済の下押しに作用したが、観光需要や県民需要の回復、建設投資の増加を主因に、幅広い業種で業況が改善していると判断した。

 一方、「対個人サービス」は前回から33㌽下落し、景気が「良い」と「悪い」が拮抗(きっこう)するDIゼロとなった。小島支店長は「台風6号の影響によるサービスのキャンセルや、コロナ関連特需の剥落から業況が悪化している」と説明した。

 「先行き」DIについて、同支店は「全企業」でプラス37と予想し、景気が「良い」とする割合が多い見込みとした。9月調査の最近との比較では2㌽下落するが、業況感を総じてみると、良好な水準が維持される見込みと評価した。

 ただ、『宿泊・飲食サービス』は、現状から下落幅見込みが15㌽のプラス40となった。小島支店長は、「宿泊業は、稼働率・単価とも改善しているものの、秋以降の予約状況が弱めで、観光需要の回復の持続性に懸念を示す事業所が見られる」と述べた。

 このほか、県内の人手不足感を示す「雇用人員判断DI」は、現状が「全産業」で前回調査と同じマイナス54の不足超となった。先行きは3㌽下落のマイナス57で、人手不足感がさらに拡大する見通し。

 同支店では「業種を問わず、人手不足は拡大している。求人をしても十分な人材を確保できずに、先行きも企業の人手不足感は続く見通しだ」と指摘した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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