FC琉球、ホームで3カ月ぶり勝利! 金監督就任後は「2勝1分」で17位に上昇

 
カマタマーレ讃岐戦の前に集合写真を撮るFC琉球の選手たち=7日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(FC琉球提供)

 サッカーJ3のFC琉球が、実に3カ月ぶりにホームで白星を挙げた。

 18位の琉球は7日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで16位のカマタマーレ讃岐と今季第30戦を行い、1ー0(前半1ー0、後半0ー0)で勝利。ホーム戦での勝ち点3は7月8日の松本山雅FC戦以来となる。通算成績を10勝15敗5分の勝ち点35とし、順位を暫定17位に上げた。

 金鍾成監督が就任後の3試合は2勝1分で負け無しが続き、目に見えてチームが上向き始めている。

前半20分に“ミスター琉球”が先制点

 試合は序盤から讃岐に押し込まれる展開。スルーパスなどから度々シュートを打たれるが、我慢を続けた。すると前半20分、相手のクロスから迎えたピンチをしのぐと、カウンターでチャンスをつくる。

 一気にラインを上げてMF清武功暉が中央でパスを受け、右サイドのMF中野克哉へ。さらに右側を駆け上がったDF柳貴博に流し、柳が直接グラウンダーのクロスを放り込むと、中央に走り込んだMF富所悠が右足で合わせてゴールネットを揺らした。

 2試合ぶりの先発となった在籍10シーズン目の“ミスター琉球”による今季初ゴールで先制した琉球だったが、その後も相手は攻撃の手を緩めず、攻め込まれる。さらに終盤には途中出場のMF武沢一翔が負傷退場し、10人での戦いに。それでも最後まで讃岐の攻撃を跳ね返し続け、虎の子の一点を守り通した。試合終了のホイッスルと同時にピッチに倒れ込む選手も多く、力を出し切った様子だった。

金監督「結果を残すことが最優先」

試合後の会見に臨む金鍾乳成監督(FC琉球提供)

 金監督体制下で前へ向かう意識が向上している一方で、守備ではピンチこそ多いが、球際で体を張る選手が増えている琉球。指揮官も「怪我人が出たり、最後は人数が足りない状況になったりしても、勝ち点3を取れたということで何よりも今日の試合の成果だったと思います」と好感触を語った。

 今シーズンは残り8試合。チームが上昇気流に乗りかけていることは間違いないが、日本フットボールリーグ(JFL)との入れ替え戦圏内となる19位のSC相模原とは勝ち点4ポイント差、JFL自動降格圏内となる20位のギラヴァンツ北九州との差は9ポイント。相模原、北九州は8日に試合があり、結果次第ではさらにポイント差が詰まる可能性もあるため、依然として残留争いから抜け出したとは言い難い。

 「攻守においていろいろ求めることはあるにしろ、少しでもチームを構築しながら、週1回行われるリーグ戦で結果を残すことが最優先であるとチーム、選手で共有できていると思っています」と話す金監督の下、さらに勝ち点を積み上げていきたい。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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