辺野古の「不承認」めぐる訴訟、沖縄県側の敗訴が確定へ
- 2023/8/24
- 政治
米軍普天間飛行場の辺野古移設で沖縄県が行った不承認処分をめぐり、最高裁判所は県が提起している「国の是正指示は違法」との訴訟について9月4日に判決を下すと決めた。この訴訟は、今年3月に福岡高裁那覇支部が行った県敗訴の判断を不服として、県が上告していた。最高裁は、下級審の判断を変更する場合に開く弁論を行わない方針とみられ、県の敗訴が確定する見通しとなった。
辺野古移設をめぐっては、大浦湾側で軟弱地盤が見つかっている。このため、沖縄防衛局は2020年4月に工事方法の変更を申請し、県は21年11月に同申請を不承認とした。その後、斉藤鉄夫国土交通相は22年4月、県の不承認処分を取り消す裁決を下し、申請を承認するよう「是正指示」も出した。
県は、同相の判断は違法として、裁決や是正指示は違法と主張する訴訟を提起。法廷で争ったが、福岡高裁那覇支部は今年3月に県の主張を退けた。今回、このうち県が「是正指示」の違法性を主張した訴訟の敗訴が確定する方向となったことになる。
また、最高裁は「国土交通相の裁決」について県が違法性を争っている訴訟についても、県の主張を退けるとみられ、県は政治的に厳しい立場となる可能性がある。一方、最高裁の判断を受け、県の反対を押し切る形で政府が軟弱地盤地区での埋め立て工事を実施すれば、国と県の対立が激しくなることも想定される。
(記事・写真 宮古毎日新聞)