首里城図柄入りナンバープレート「走る広告塔」に 来年10月から発行へ

 
首里城の図柄入り自動車ナンバープレート(沖縄県ホームページより)

 2019年に火災により正殿が消失した首里城の復興機運の醸成を図るため、沖縄県が自動車のナンバープレートに首里城を取り入れたデザインを決定した。国土交通省が「走る広告塔」として進めている「地方版図柄入りナンバープレート」の制度を活用したもの。171点の応募の中から選ばれた図柄は那覇市在住の伊藤聖菜さんが制作したデザイン。県はこのデザインを県の案として国交省に提出する。実際に発行されるのは来年10月頃から。

那覇の花ブーゲンビリア、エイサーも

 公募は今年8月に県内在住者を対象に行い、117人から171点の作品が集まった。有識者を含めた審査会で9作品を選定し、10月14日~11月3日にオンラインなどで県民人気投票を実施。12,625件の投票があり、伊藤さんの作品は最多4,888票を集めて最優秀賞を獲得した。

 採用されたデザインでは、青空の下、右側の首里城正殿と左側のシーサーが向かう合うように描かれている。シーサーの下には那覇市の市花であるピンク色のブーゲンビリアが添えられ、プレートに彩りを加える。

復興寄付でフルカラー版に

首里城正殿復元整備工事の起工式=11月3日

 背景に図柄があるものの、上書きされた車両ナンバーが見えづらくなることはない。県は「遠くからでも首里城の全体像が把握でき、ナンバーの視認性は損なわないように工夫しています」と説明している。発行手数料に加え、首里城復興に向けて1,000円以上の寄付をするとフルカラー版を選択でき、寄付金無しの場合はモノクロとなる。

 県は11月25日、県庁に伊藤さんを招いて表彰式を行った。同日の定例記者会見でデザインの決定を発表した玉城デニー知事は「ぜひ多くの皆様に取り付けていただき、首里城復興をさらに盛り上げていただくようにお願いします」と呼び掛けた。

 首里城正殿を巡っては11月3日に起工式が行われ、再建に向けて本格的なスタートを切った。2026年秋の完成を目指し、復興が進んでいる。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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