電気料金、来春値上げへ 沖縄電力、燃料高騰で大幅赤字

 
沖縄電力那覇支店

 沖縄電力の本永浩之社長は1日、那覇市内で会見し、燃料価格の高騰などにより、今年度の決算見通しが単体で過去最悪の経常損失485億円となる見通しを示した上で、すべての電気料金について来年4月からの値上げに向けた検討を始めると発表した。本永社長は「大変苦渋の決断ではあるが、電力の安定供給を継続するため検討に着手することにした」と述べて理解を求めた。

 485億円の経常損失は、直近9年の経常利益を合計した額に相当するといい、本永社長は「企業努力で吸収できる範囲を大きく超えている」と強調した。今年度の売上高見通しは単体で2126億円。売上高の2割以上となる経常損失といえる。連結での純損益は416億円となる見込みという。

 同社によると、20年4月と比べた場合、石炭価格は4.3倍、原油価格は2.6倍に上昇し、円安の急激な進行による影響も受けている。

 電気料金には、「燃料費調整制度」があり、燃料価格や為替の変動に対応して調整が行われるが、今年4月以降は平均燃料価格が調整の上限価格を超過していた。

 同社は、「4月以降、緊急経営対策委員会を設置して、あらゆる効率化に取り組んでいる。役員報酬のカットや支店の統廃合、修繕の周期の見直しなど、できるだけのコストカットを行ってきている」としたほか、「今後も徹底した経営効率化に取り組む」との方針を示した。

 値上げの幅について、同社は検討中で、国の審査を経て決定される。

(記事・宮古毎日新聞)


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