【統一地方選】選挙カーの内側から ウグイス嬢の現場に密着!
- 2022/9/9
- 政治
9月11日は沖縄県知事選挙の投開票日。その日は他にも、県議補選(那覇市・南部離島選挙区)や4の市町村長選、24の市町村議選が一斉に行われる“大選挙日”だ。来たる投開票日に向けて、自らの政策や思いを伝えようと汗を流す候補者はなんと400人以上。そして、その数に比例して沖縄中を駆け巡るのは、選挙カーだ。選挙カーで候補者をアピールする声の主・ウグイス嬢や運転手は何を意識し、何に気を付けながら活動しているのだろうか。
今回は、実際に選挙カーに乗って選挙活動の現場に密着してみた。
祖慶さんと長井さんペアに同行
9月7日朝9時、沖縄本島中部のある市町村議選の候補者事務所。「明るく楽しく元気よく、アゲアゲで!」と、候補者が朝のミーティングで伝える視線の先にいるのは、共にキャリア約1年のウグイス嬢、祖慶ありささんと長井さくらさんだ。
ウグイス嬢の多くはバスガイドが務めていることが多い。しかし今回は各地でさまざまな選挙が行われているため、深刻な「ウグイス嬢不足」に陥っているという。未経験者がバスガイドから1日研修を受けるケースもあるとのこと。ちなみに、ウグイス嬢の男性バージョンは「カラスボーイ」で、略されて単にカラスとも呼ばれている。
台風一過で晴れ渡った9月初旬はまだまだ暑い。出発前の最初の作業は「水分確保」だ。支援者が差し入れてくれたという飲み物類は、ちょっとしたおやつと一緒にクーラーボックスに入れられ、選挙カーに持ち込まれる。
選挙カーの中身や仕組み
祖慶さんと長井さんは後部座席に座り、それぞれの有線マイクを座席下のジャックに接続する。ちなみにこの有線マイク2本の他にも、ワイヤレスマイクが1本。これは、候補者自身が持って車の外で話をするためのものだ。
後部座席に乗ると、前方シートの裏側に原稿や資料を挟めたり、いろいろなグッズを置けたりして便利だという側面もある。
選挙管理委員会から交付された腕章や許可証をしっかりと見せるのも義務の一つだ。
いざ、出発!
筆者は助手席に乗せてもらった。隣に座るのは、この道約30年のベテラン運転手Oさん。後援会長や事務員も務めるマルチプレイヤーだ。候補者本人は別の活動があるため一旦分かれ、選挙カーの中には計4人が乗る。
選挙事務所から選挙カーが出発したその瞬間から、ウグイス嬢の第一声が上がった。「【候補者名】です。本日も心を晴れやかに、行って参ります」。自分が乗った車から大音量が流れるのは、最初の30秒間ほどこそ不思議な気持ちがしたが、すぐに慣れた。大通りに出て最初の交差点に差し掛かった時に、すぐに支持者が手を振っている姿が見えて、一気にホーム感が出たからだ。選挙カーからは、手を振る人の姿が驚くほどよく見える。