【沖縄県知事選】各候補者が打上式で最後の訴え あす投開票

 

 沖縄県知事選(9月11日投開票)が翌日に迫った10日、各候補は8月25日の告示から17日間の選挙運動期間最終日を迎えた。各候補者は10日夕、支持者らを前に那覇市内で打上式を開いた。
 立候補しているのは届け出順に、元郵政民営化担当相で無所属新人の下地幹郎氏(61)、前宜野湾市長で無所属新人の佐喜眞淳氏(58)=自民、公明推薦=、2期目を目指す無所属現職の玉城デニー氏(62)=立民、共産、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=の3人で、当選に向けて最後まで支持拡大を訴えた。

下地氏「自分たちの力で沖縄を進化させる」

 下地氏はオレンジ色の自転車にまたがって手を振りながら、那覇市泊の交差点に登場した。1日に50kmを走破して真っ赤に日焼けした顔に満面の笑みを浮かべ、支持者の声援に応えながらマイクを握る。集まった人たちへの感謝を示した後、「誇りある沖縄を作る」と力を込めて切り出した下地氏。沖縄が自立するために「全てにおいて国の差配のもとに沖縄の経済が、生活が決まる時代を終わらさなければならないんです」と述べた上で、「国に頼らず、沖縄を自分のちから出成長させ、進化させている役割を下地幹郎にさせてもらえませんか」と呼びかけた。

 宜野湾市の普天間飛行場での米軍訓練を鹿児島県の無人島・馬毛島へ移転させるという提案が、騒音に苦しんできた地域住民や、名護市辺野古の埋め立てに反対する人たちの「両方の思いを叶えることが出来る」とアピール。「私が愛する沖縄の人たち同士が喧嘩をしている姿には耐えられない。だから終わらせるんです」と語りかけると、支持者からは「そうだ!」と合いの手も上がった。

 演説を初めて少し経った頃、ポツポツとした雨が次第に本降りになった。ずぶ濡れになりながら暫く訴えを続け、ガンバロー三唱の前に雨が止むと下地氏は「晴れて、雨が降って、晴れる。下地幹郎の人生と一緒です」と話し、笑いをとっていた。妻の志緒さんはあいさつで「賛否両論ありましたが、集まってもらって、そして走り回って協力しくれている人たちに心から感謝をしています」と述べ、集まった人たちに謝意を示した。

 ガンバロー三唱では“Z世代”代表として、金城篤正さんが指揮を執った。「この選挙に関わって、若い世代が選挙に興味や知識を持っていないということを痛感しました。そんな中、下地さんのために1人1人が同じ志を持って一生懸命に取り組んでる姿に感動した。リスペクトを贈りたいと思います」と話すと「ミキオしかいない!」と気勢を上げ、ガンバロー三唱を盛り上げた。

佐喜眞氏「沖縄を変えなくてはならない」

 佐喜眞氏は10日、朝から大票田の那覇市内で遊説を重ねた後、夕方には同市おもろまちの沖縄県立博物館・美術館前交差点で打上式を行った。今回の知事選挙で離島も含めた全県中を駆け巡り、改めて沖縄の良さを実感したことを振り返りながら「島々の問題も見聞きしてきた。離島には大きなハンデがある。それらを克服するために沖縄県知事がしっかりと政府予算を確保する努力が必要だと、身を持って確認した」と決意を見せた。

 また、自身の目玉政策の一つでもある「観光関連産業を中心に1000億円規模の支援」については「今手を差し伸べなければならないみなさんに、スピーディーかつ効果的な支援を行い、廃業・倒産を未然に防ぐ」とした。さらに、第一次産業への支援も強調した。

 「女性が活躍できる沖縄を目指すのは当然だ」とし「結果を出すために女性の声を県政に反映させていきたい。女性としての視点、母親としての視点は大切だ」と述べた。子育て支援については「県内のどこに住んでも給食費、保育料、子どもの医療費が無償でできるようにする」と約束した。

 現県政については「今の県政で政府と対話ができると思いますか。もしできていたら、この4年間の間に総理と一対一で交渉して、県民に対して結果を見せられたはず」と批判した上で「沖縄を変えなくてはならない」と県政奪還を誓った。

 その他、県知事選同日に行われる県議補選(那覇市・南部離島選挙区)に出馬している下地ななえ氏や自民党沖縄振興調査会長の小渕優子衆議院議員らが次々と登壇した。小渕氏は、ことしが沖縄の日本復帰50年であることに関連付けて「県民一人一人の努力によって今の沖縄が築けている。こんなところで失速するわけにはいかない」と、佐喜眞氏への支持拡大を呼び掛けた。

玉城氏「沖縄らしい社会を取り戻していきたい」

 玉城氏は選挙戦最終日の10日、本島北部の名護市から中部のうるま市や沖縄市などを回り、午後5時から那覇市中心部の県庁前広場で打ち上げ式を行った。会場にはシンボルカラーの黄緑色の鉢巻や「誰一人取り残さない沖縄へ」と書かれた幟を手にした支持者らが集まり、国政野党4党と社大党のトップも応援に駆けつけた。

 選挙カーの上に立った玉城氏は、4年間の知事在任中に豚熱や首里城火災、そして新型コロナと次々と想定していなかった事態が発生したが、県庁組織が一丸となって対応してきたと振り返り、選挙戦で対立候補から「何もしていない」と批判を受けたことに反論した。

 「私にはこの4年間で後悔したことは一つもない」と力を込めた上で、若年妊産婦の支援や子ども食堂の運営、若者の就職のミスマッチの解消などまだやり残したことに取り組み、「誰一人取り残されることのない沖縄らしい社会を取り戻していきたい」と訴えた。

 基地問題をめぐっては、政府が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について「辺野古新基地はいつまでかかっても完成しない。政府にはきっぱり諦めてもらい、普天間のヘリ部隊を県外や国外に持って行ってもらう」と語気を強めた。

 さらに、過去の玉城氏の主張を引き合いに選挙期間中に沖縄が独立するかのような言論がネット上で飛び交っているとして、都合の良い部分だけを切り取るような社会にしてはならないと述べた。

 応援に駆けつけた各党のトップらも演説した。このうち、立憲民主党の泉健太代表は「知事選において旧統一教会の話は関係ないとは言えない。『関係ない』で誤魔化されては困る。知事選は多様性を認め、困っている人を助け、誰一人取り残されない社会を作るための戦いだ」と訴えた。

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