FC琉球、8月から八重瀬町観光施設を練習拠点に 町と協定締結
- 2022/7/10
- エンタメ・スポーツ
サッカーJ2、FC琉球の倉林啓士郎会長と八重瀬町の新垣安弘町長が7月8日、町スポーツ観光交流施設に関する協定書に締結した。クラブにとって創設以来の悲願だったJ1ライセンスの規格を満たすクラブハウスと練習場を含む同施設は、町具志頭の陸上競技場跡地を活用して町が整備を進めており、今月いっぱいで完成予定。8月から琉球が練習拠点として使用する。
最下位脱出のきっかけに
施設面積は約3万6千平方メートル。サッカー場は琉球のホームグラウンドである沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムと同じ天然芝。人工芝のフットサル場も併設する。管理棟には琉球の選手専用のロッカールームのほか、トレーニング室や記者会見場も完備している。
琉球は現在、4勝15敗6分の勝ち点18で最下位の22位と正念場が続いている。ただ、7月6日のいわてグルージャ盛岡戦で9試合ぶりに白星を挙げ、ナチョ・フェルナンデス監督体制となってから初勝利となった。10日午後7時からホームで行われるベガルタ仙台戦では今季2度目となる連勝が期待される。
倉林会長は「この練習場はクラブにとってインパクトが大きい。選手たちのパフォーマンスにとって力になると思います。非常に苦戦していますが、しっかりJ2に残留したい。練習場の整備でJ1ライセンスを取得することができているので、近い将来には沖縄初のJ1クラブを誕生させたい」と力強く語った。
琉球は2019年3月、八重瀬町に具志頭運動公園を練習拠点にしたい旨の要請を行い、同年6月に合意。20年には内閣府の沖縄振興特定事業推進費市町村補助金の交付が決定し、整備を進めていた。総事業費は約14億5千万円。8月6日にはオープニングセレモニーを開催する。
新垣町長は補助金の交付を受けるに当たり、事業の緊急性や地域振興における広域性などの課題があったことに触れ、「皆様の協力を得ながら課題を一つ一つクリアし、ようやく来月オープンを迎えることになりました」と感慨深げ。琉球に対して「県内各地のサッカー場を転々としながら練習するよりも練習効率が上がり、それが成績にも反映されていくと思います」と最下位脱出に期待を寄せた。
J1規格のスタジアム整備にも期待
会見では、県が那覇市奥武山公園内で建設を計画しているJ1規格のサッカー専用スタジアムについても触れられた。同計画については、財源などの課題があり、なかなか前進していないのが現状だ。
新垣町長は「選手のモチベーションを上げるためにも、県においては早めにスタジアム事業に着手していただきたい。練習施設とスタジアムの相乗効果が発揮され、南部広域での観光客の誘客にもつながっていくと思う。期待しています」とコメントした。
倉林会長も「次はやはり、サッカー専用のスタジアムを奥武山公園内につくるということを是非進めていきたいです」と意欲を見せた。