”楽しい”を子どもたちの支えに 元女子サッカー日本代表 高良亮子さんの挑戦
- 2021/12/14
- エンタメ・スポーツ
国内女子サッカーの最高峰・なでしこリーグのINAC神戸やベガルタ仙台で活躍し、なでしこJAPANのメンバーにも選ばれ国際試合も経験した、那覇市出身の高良亮子(たから りょうこ)さん。2018年に現役を引退し、現在は県内でサッカースクールのコーチをしながら、スポーツの楽しさを子どもたちにも知ってもらう活動も手掛けている。その高良さんが中心となり、さまざまな競技に携わる人たちが参加したイベントを取材した。
高良さん「スポーツちゃんぷる~」への思い
快晴の豊見城市で12月12日に行われた、その名も「スポーツちゃんぷる~」。サッカー・アメリカンフットボール・バスケットボールなどさまざまなスポーツを、小学3年生以下の小さな子ども向けにアレンジし体験してもらおうという取り組みだ。例えばアメフトだとタックル無しの鬼ごっこ感覚で、楕円形のボールはキッズサイズの小さなものが使われた。会場を各スポーツごとにエリアをつくり、子どもたちはグループごとに10分体験・5分休憩し、次の競技に移っていくという形で行われた。
発起人となった高良さんは、サッカーのルールが良く分からない子もいた中で、ボールを蹴ってゴールに入れることを文字通り手取り足取り説明しながら、実際にゲームを体験させていた。ゴールが決まる、蹴ったボールが前に跳ぶ。その度に「ナイス!」と声をかけていた。その思いを伺った。
「何かスポーツを始めるときに、最初の入り口というのが、子どもなのでなかなか入りづらいとか、上手い人たちの集まりに行きづらいというのがあるのではと思うのですが、こういう形で一つのスポーツだけではなくて、複数の種目を一気に体験することで、そこで楽しかったということがその子の今後に何かつながればと考えました。(競技が)1つ楽しかった、2つ楽しかった。じゃあ2つともやってみようとか、その子なりの選択肢が増えてくれたらと思っています。まずは、やってみて何か楽しいことを一つでも感じてくれたら私たちはそれが嬉しいです」
脳トレ+運動のエクササイズも紹介
このイベントには、県外からも趣旨に賛同し参加した指導者がいた。千葉県の「行徳スワローアカデミアクラブ」代表理事を務める田所弘之(たどころ ひろゆき)さんは「ライフキネティック」を子どもたちに紹介した。ドイツ生まれのエクササイズで脳トレと運動を組み合わせたものだ。
例えば写真の色がついたたくさんの突起がついているゴムボールは「テトラ」と呼ばれ、これを対面で投げ合う直前に「赤」「青」と色を言う。キャッチする側はその色の突起をつかんで捕るのがルールだ。慣れてくると「緑、赤」と2色言われても左右の手でその色の突起をキャッチできるようになった子もいた。
田所代表理事は「人の脳、体というのは目と耳から情報が入ります。それらの情報を脳で判断して体を動かすというシグナルが出ますが、そのスピードを上げます。スポーツパフォーマンスだけでなく学習能力も向上します」とその効果を説明した。