”楽しい”を子どもたちの支えに 元女子サッカー日本代表 高良亮子さんの挑戦

 

高校生も指導の輪に

 実際に体験した子どもたちからは「(ボールを)蹴ったり、投げたりが面白かった」という声が上がったが、那覇市から参加した2児の保護者は「8歳の子はもうサッカーをしていて、5歳の子はこれから何をさせようかという気持ちで参加しました。ボールを使うのが好きとは思っていましたがアメフトを一番楽しそうにしていたのが気づきになりました」と話した。また宜野湾市から娘と参加した保護者は「まだ(子が)小さかったら何に興味を示すのか、いろいろ体験してみないと分からなかったので、いくつもの競技を1回でできるのはすごくいいなと思いました」との感想だった。

 そして教える側にも学びがあった。小禄高校女子バスケ部は、すでに引退した3年生が小さな子どもたちの指導を手伝った。その一人、淵脇(ふちわき)はるかさんは、「(子どもたちの年齢で)話し方や接し方を変えたりすることを学びました。いろいろ回って、疲れて座り込んでいる子もいたので、そういった子たちのやる気を出させるためにはどうしたら良いかを考えました」。高校生たちも拍手や「うまい!!」などの励ましを交えて、笑顔で子どもたちとドリブルなど基本的な技を一緒に楽しんでいた。

淵脇さん(左)はじめ小禄高バスケ部OG3年生の指導

”楽しい・うれしい”を心の土台に

 上手くないから恥ずかしい、失敗すると笑われる・叱られるなど、子どもたちをスポーツから遠ざけるネガティブな要素を無くし、スポーツは楽しい、「ナイス!」と褒められて嬉しいというポジティブな感情を知ってもらうことが、「スポーツちゃんぷる~」の大きな狙いだ。主催した高良さんも「上手い、下手ではなく、自分が楽しいかどうか。イベントを通して楽しいという気持ちを持ち帰ってくれたら一番嬉しい」という言葉に力を込めた。国内トップレベルを知るアスリートが、スポーツ好きな子を育てるというグラスルーツ(草の根)の活動に力を入れていることの意味を考えたい。

 全国や県大会で優勝、プロ選手になるといったことももちろん素晴らしいが、子どもたち一人ひとりの幸せや成長に「スポーツがどう役に立つのか、関われるのか」という視点は忘れてはならないと思うし、数多くのスポーツチームや関係者が「スポーツちゃんぷる~」に賛同し開催できたことは、中学生の娘を持つ筆者としても心強く感じ、このような指導者に教えを仰ぎたいと感じる。心技体それぞれを育むグラスルーツから、全国・世界の舞台で活躍したいと高みを目指す選手・アスリートが輩出されることを願う。

☆高良さん所属「genius合同会社」
https://www.genius-oki.com/

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吉田鉄太郎

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読谷村出身。県外放送局勤務後、帰郷しFM沖縄・FMよみたん情報番組パーソナリティー、RBCスポーツキャスターなどを経て、現在はQAB報道部にてスポーツを中心に記者業務に携わる。ヴォーカリストの妻とバトントワリングに励む娘と元気に楽しい3人暮らし。

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