純損益、前年同期から縮小も35億円赤字 JTA中間決算
- 2021/11/5
- 経済
日本トランスオーシャン航空(JTA、青木紀将社長)は2日、2021年4~9月の中間決算は、売上収益は前年同期比1.3%減の77億円、営業損益は51億円の赤字(前年同期62億円の赤字)、経常損益は50億円の赤字(同62億円赤字)、純損益は35億円の赤字(同43億円赤字)だったと発表した。
JTAの中間決算が赤字となるのは、26年ぶりに赤字に転じた前年同期から2年連続で、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた行動制限の長期化による旅客需要の低迷等が影響した。ただ、赤字幅は前年同期から縮小した。
青木社長は「引き続き感染防止対策を徹底し、政府のキャンペーン等も活用しながら機を捉えた販売促進に努め、県経済の早期回復に寄与するとともに、全社を挙げてコスト削減に継続して取り組み、業績の回復に努めていく」と述べ、下半期での健全化に取り組むとした。
旅客需要の低迷が長引いたことが従業員にストレスを与えたとし、従業員が精神的に安定し、生き生きと利用客を迎えられるよう取り組むことも強調した。
また、県や政府への要望として、「県の彩発見キャンペーンや国のGoToキャンペーンなどの制度設計、実施時期を早期に明確にしてもらいたい」と述べた。需要喚起のために、平日の予約を助成する事業の創設なども提案した。
旅客収入は同1.3%減の58億円、貨物・郵便収入は同8.1%減の8億円と減少する一方、付帯事業収入はグループ会社の整備受託収入増等で同8.8%増の6億円となった。
営業費用は、同8.1%減の129億円。旅客収入の大幅な減少に対応すべく計画便数のうち4117便(減便率31.8%)を減便し、燃油費などの変動費を前期比13.2%(9億円)削減した。
また、賞与係数見直しによる人件費抑制などで固定費も同2.9%(2億円)削減したという。航空機燃料税、着陸料や航行援助施設使用料、空港使用料など公租公課の減免効果もあった。
通期業績について、同社は「10月から緊急事態宣言が解除されたが需要の回復は緩やか。ワクチン普及効果、感染再拡大の可能性も含め、今後の航空需要の回復を合理的に見積もることが困難なことから公表できる状況にない」と予測している。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)