36 年連続で國場組トップ 20年度建設業完工高ランキング

 
建設業完工高ランキングで36年連続の県内トップとなった國場組=2日、那覇市

 東京商工リサーチ沖縄支店は2日、沖縄県の建設業許可業者5084社(大臣許可11社含む、2021年3月現在)で年間10億円以上の完成工事高を計上した企業が対象の20年度県建設業完成工事高ランキング(20年4月期~21年3月期)を発表した。1位は、集計開始から36年連続で國場組、2位は14年連続での沖電工となった。

 今回、ランキング入りした企業は、前年度比7.3%増の234社で最多を記録した。完工高総額は同0.9%増の5796億9500万円で、6年連続での最高更新となった。同支店では、「対象企業の増加や公共工事の底堅い動き、コロナ前から着手していたホテルなど民間の大型工事が牽引した」と説明した。

 増収企業は141社で全体の60.3%を占め、19年連続で半数を超えたが、前年度の68.2%を7.9ポイント下回った。上位10社の完工高は、前年度比5.0%減の1552億4300万円。完工高総額に占める上位10社の割合は26.8%で、前年度を1.6ポイント下回った。

 ランキング1位の國場組は、建築で名城ビーチホテル新築など、土木でシュワブ埋め立てや空自那覇滑走路などを手掛けて1位を維持したが、民間大型工事があった前期の反動減で29.9%の減収となった。

 2位の沖電工は、配電塔新設を含む好調な電気工事に、沖縄電力本館と同社変電所などの建築や新名護幹線一部地中化などの土木の大型工事が寄与し、前期比2.3%の増収となった。

 3位は大米建設。建築で宮古島市総合庁舎、ANAインターコンチネンタル石垣リゾート、豊見城中央病院、土木でシュワブ埋立、平良港航路浚渫などを手掛け、公共大型工事が完工高を押し上げ、ランクを前年から一つ上げた。

 4位は屋部土建で、嘉手納住宅インフラ改修、サンエー石川シティ新築、港川プロジェクト造成などはあったが、建築工事の減少から14年ぶりの減収でランクを一つ落とした。

 5位はアメリカンエンジニアコーポレイション。米軍の桟橋改修・補修の土木工事に、県外企業の配送センターに絡む大型の管工事と公共工事の増加から前期比31.1%の増収となり、前年より順位を一つ上げた。

 同支店では、今後について「21年度は減収に転じる可能性がある。コロナ禍の中で、ホテルや共同住宅など、民間工事での受注案件の先送りなどが懸念材料になる。建築単価の上昇なども影響して来ると思う」と分析している。


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