岸田政権誕生へ 沖縄政策はどう変わるのか
- 2021/10/3
- 政治
9月29日の自民党総裁選の結果、岸田文雄前政調会長が第27代総裁に就任した。10月4日の臨時国会で菅義偉首相の後継として第100代首相に指名される。岸田政権の下、党役員や新閣僚の顔ぶれは大幅に変わる。新体制で沖縄政策がどう動いていくのかが注目される。
河野氏最多も岸田氏善戦
下馬評では総裁選に立候補した4氏のうち、河野太郎沖縄・北方担当相が党員投票で選挙戦を有利に進めると予想された。沖縄県内の党員投票の結果は得標順に河野氏1904票、岸田氏1735票、高市早苗氏632票、野田聖子氏275票と、沖縄振興の担当大臣を務める河野氏が最多だったが、岸田氏が肉薄した。
沖縄の自民党国会議員3氏のうち、西銘恒三郎衆院議員と岸田派の國場幸之助衆院議員が岸田氏を支持したことが影響したとみられる。宮崎政久衆院議員は河野氏の推薦人に名を連ねた。
投票資格を持つ沖縄県内の党員党友は9018人で、投票率は50.5%。前回党員投票があった18年総裁選は7307人に対し投票率38.94%だった。投票率は18年に続き47都道府県で最低だったが、10ポイント以上上昇した。
国会議員投票では上述の通り西銘、國場の2氏が岸田氏に、宮崎氏が河野氏にそれぞれ投じた。
ソフトな政治家
岸田氏は自民党政治家の中でも沖縄との関わりが深い。
初入閣が2007年の第1次安倍政権下での沖縄・北方担当相で、続く福田政権までの約1年間務めた。担当相として沖縄に頻繁に通い、仲井眞弘多知事(当時)とも会談を重ねている。この頃は米軍普天間飛行場の移設協議が進まず、防衛省の反発もあり北部振興事業が凍結されていたが、岸田氏はその再開の対応にも当たった。
全閣僚がかりゆしウェアを着用して閣議に臨むようになったのも、岸田氏が沖縄・北方担当相だった時期からだ。仲井眞氏との親交はその後も続き、2期目をかけた10年の知事選では岸田氏が仲井眞氏の応援に駆けつけている。